TOP 経営幹部・エグゼクティブのためのキャリア&転職を考える 面接時に社長が見ている視点と人事部長が見ている視点の違い

2021/12/24

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経営幹部・エグゼクティブのためのキャリア&転職を考える

第18回

面接時に社長が見ている視点と人事部長が見ている視点の違い

  • キャリア
  • 転職
  • 伊藤 博紀 株式会社 経営者JP ディレクター 兼 エンタープライズサービス統括本部 部長
 

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1次面接、2次面接を終えて、次回は社長との最終面接。いよいよ大詰めの最終局面。このような最終局面で候補者の方々から「次回の社長面接では、どのようなことを確認されるのでしょうか」と、率直なご質問を頂く場面があります。

 

実際に1次面接、2次面接で人事部長などからは高く評価されていたものの、社長との最終面接で残念ながらご縁に繋がらない場面も少なくはありません。

 

なぜこのようなことが起こりえるのでしょうか。それは、人事部長があなたを見ている視点と社長があなたを見ている視点とでは、あなたを見ている視点が全く異なるからです。

 

最終面接までのご経験、ご実績、企業カルチャーとのフィット感、これらは既に大きな乖離がないことは確認が終わっている状況で、社長との最終面接ではあなたの何をどう見られているのでしょうか。

 

人事部長が見ている視点

まずは人事部長が面接時に見ている視点です。多くの人事部長との面接の場合、一般的には、これまでの経歴、今回の転職活動の理由などを通して、あなたの経験、実績、企業カルチャーとのフィット感を見ています。

 

つまり、人事部長の場合、「これまでのあなた」「今現在のあなた」を見て、今回の募集要項と照らし合わせ、「この方は当社に入社しても、活躍して頂けそうな方だな」と短期的な視点から判断している場合が多いです。

 

社長が見ている視点

一方で、社長の場合、人事部長とは異なって、短期的な視点に加えて、より中長期的な視点であなたを見ています。もちろん、これまでの経歴、実績、転職活動の理由については確認するものの、あなた自身が「これまでの経験を活かし、これから何を成し遂げたいのか」「一緒に次のステージを創っていける人なのか」を確認されます。つまり、社長との面接の場合、「これからのあなた」を中長期的な視点で見ているのです。

 

そのような中で、あなた自身は社長に対して、「これからのあなた」をどれだけ具体的なイメージで伝えられるのか、そのイメージと会社の成長をどのように紐づけて、あなた自身が会社にとってどれだけ必要な人材なのか、をお話することができるかが重要なポイントになります。

 

また、ここでお話する内容で重要なポイントは一般的かつ表面的なお話ではなく、あくまでもあなた自身が思い描くストーリーかどうか、そのストーリーに対して、どれだけ具体的な数字や根拠を持ってお話することができるかどうかです。ここで一般的かつ表面的なお話に留まってしまうと、社長は「この方が言うことは正しいことだけど、リアリティがない」「評論家タイプであり、一緒に実行部隊として戦える方ではないな」と感じてしまい、結果としてご縁に繋がらないこともあります。

中長期的な視点で語るためには

それでは、「これまでのあなた」「今現在のあなた」の短期的な視点だけではなく、「これからのあなた」での中長期的な視点も持ち合わせるためには、どのような準備をすれば良いのでしょうか。

 

まずは、あなた自身のビジョンを明確にすることから始めてみることを個人的にはおススメします。

 

「これからのあなた」での中長期的な視点で考える中では、「自分自身は何にやりがいを感じるのか」「今後どのようなことを成し遂げていきたいのか」を思い描いていくことになりますが、これらは人それぞれで考え方が異なると同時に、正解が何かというものはありません。だからこそ、あなた自身がしっかりと自分自身と向き合って、確認しなければ見えてこないものです。

 

そして、あなた自身のビジョンが明確になったら、次は先方の会社のビジョンを改めて確認してみましょう。

 

これはあなた自身のビジョンと会社のビジョンが共鳴できているかどうかということです。あなたがどんなに素晴らしい経歴、実績を持ち合わせていても、先方の会社のビジョンへの共鳴ができていなければ、結果として良いご縁には繋がりません。(逆に、あなた自身のビジョンと会社のビジョンへの共鳴を感じることができなければ、その会社を新天地として選ぶべきではないとも言えます。)

 

あなた自身が「どんなスキルを活かし、どんな仕事をするのか、どんな貢献ができるのか」以上に、「仕事をする上で何を大切にしてきたのか」「何を成し遂げたいのか」という点は社長との面接の中では明確にしておくべきということです。ここであなた自身のビジョンを語れるかどうか、あなたのビジョンが会社のビジョンと共鳴できているかどうか、それこそが正に社長面接で見られている点なのです。

 

あなた自身の熱意を伝えることも大事

最後に、あなた自身の熱意もしっかりと伝えてください。

 

これは当たり前のようにお感じになるかもしれませんが、実は経営幹部層に近い採用であればあるほど、社長は「あなた自身の熱意」も見ています。これは、あなた自身の熱意がさまざまな局面の中でメンバーを統率する上でとても重要な要素だと考えている社長が多いからです。会社の未来を創っていく上では、決して上向きな局面だけではなく、苦しい局面の中でいかに次の局面に持っていけるのかどうか、その大きな要素として、あなた自身の熱意、エネルギー量が大きく左右されると感じているのです。

 

だからこそ、社長との面接で「これからのあなた」と共に、最後に「あなた自身の熱意」をしっかりと伝えることで、社長にも「この人が参画してくれることで会社の未来が開ける、次のステージが近づく」「この人と一緒に次のステージを創っていきたい」と強く感じていただき、結果として双方にとって良いご縁に繋がることを願っております。
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プロフィール

  • 伊藤 博紀

    伊藤 博紀

    株式会社 経営者JP ディレクター 兼 エンタープライズサービス統括本部 部長

    1984年広島県生まれ。創業55年以上の実績を積み重ねてきた経営者である祖父の後姿を幼少期から垣間見る中で、祖父が持つ実直な「経営観」、懐の深い「人生観」に強い影響を受ける。大学卒業後、ITコンサルティングファームのフューチャーアーキテクトに入社。流通・小売業界を中心に、要件定義、システム設計・構築、運用保守までを一気通貫して従事。ゼロベースから課題解決策を考え抜き、導き出す力、実現策をスピーディに実行に繋げるためのシステム構築力を習得する。その後、2012年に総合系コンサルティングファームのシグマクシスに入社。投資総額数百億円を超える大型プロジェクトPMO、次世代IT化戦略構想等に従事し、2015年に年間プロジェクト表彰を受賞。これまで様々なお客様のプロジェクト実現に携わり、「ヒト」に関するお客様の多種多様な悩み・課題に直面してきた中で、「社会に変革をもたらすリーダーをプロデュースする」というミッションに共感し、2018年に経営者JPに参画。独自のイマジネーションで、お客様の採用ニーズと候補者様の想いをお引き合わせすることをモットーとし、CxO・経営幹部層の方々のキャリアをプロデュースする。

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