2021/12/23
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戦略HRBPから見た、人・組織・事業・経営の現在&これから
第23回
インポスター症候群に陥らないように、自分をアゲる2つの秘訣
- 組織
- キャリア
- 35CoCreation合同会社 CEO 桜庭 理奈氏
日系、外資系問わず、様々な企業で活躍しているリーダーや、経営者の方々とお仕事をしていく中で、ある特徴に気が付きました。それは、フィードバックをこちらから伝えたときの反応の違いです。
それは、リーダーシップアセスメント(評価)を受けた後のフィードバックセッションでのこと。その当時、私はアセスメントのフィードバックを、受験したリーダーたちへ個別に伝える役割を担っていました。当然ながら、フィードバックには、強みに関するものもあれば、改善点や弱点に関するものも含まれます。対象となるリーダーの国籍は5国籍にも上りました。
フィードバックセッションを進める中で、フィードバックを受ける対象のリーダーによって、ある特徴がみて取れました。それは、両方のフィードバックを伝えたとしても、それに対する反応には、カルチャーバックグラウンドによって大きな違いや特徴があることでした。
その中でも、特に日本出身のリーダーたちには、興味深い共通点がありました。
同じだけの熱量と分量で、よいフィードバックも、悪いフィードバックも伝えたとしても、皆さんほぼ全員良いフィードバックについては、まったくといって言及せずに、悪いフィードバック、つまり改善点、「自分に足りていない」ことへの反応が著しく強く、どれだけ自分がまだまだダメなリーダーであるのか、という点にフォーカスして、お話をするということでした。
そこには謙虚さとは異なる、ある意味での「自分のよくできているところにフォーカスを当てて認めてしまったら、罪悪感を感じる」かのような、縛られた何かを感じました。のちに、それが「インポスター症候群」という心理状態であることを、私は知りました。
インポスター症候群が発生する文脈とは
初めてこの用語を耳にする方のために、改めてインポスター症候群について、定義しましょう。
インポスター症候群とは、仕事で成功し、客観的な評価を得られているのにも関わらず、自分自身を過小評価してしまう心理状態のことを指します。
例えば、自分のプロジェクトがたとえうまくいったとしても、「運が良かった」「自分の力では全くなく、周りの協力のお陰で」と思ってしまい、成功に対する自分への評価を、かえって重荷に感じてしまう場合もあります。また、インポスター症候群に陥っている心理状態では、失敗するということに対する大きな恐れも伴うことが多く、よって、失敗したら周りから非難されたり、批判されたりすることから、普段の前向きな自分への評価は、見てみないふりをするという特徴もあります。
先のリーダーシップアセスメントを受験してフィードバックを...
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