TOP 社長を目指す方程式 デキる上司はやっている! イノベーションを起こす「最強の習慣」

2021/12/21

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社長を目指す方程式

第80回

デキる上司はやっている! イノベーションを起こす「最強の習慣」

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  • 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO 井上 和幸

 

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今回の社長を目指す法則・方程式:ティナ・シーリグ教授

「インベンション・サイクル③ イノベーション=フォーカス+フレームを変える」

 

ポストコロナに向けて上司の皆さんに求められる「アイディアを形にする力」。前々回と前回は、4つのステップのうち「想像力」「クリエイティビティ」と見てきました。今回は、第3のステップとなる「イノベーション」を起こす人材になるためのマインドと具体的な方法についてご紹介します。他社と差別化を図れる革新的な製品・サービスを生み出す人が習慣化している「時間の使い方」と「物の見方」とは何か。来年の飛躍に向けて、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

 

似てるようで違う? イノベーションとクリエイティビティ

物事に新機軸を設けることや技術革新を指す「イノベーション」。これは一言で言いかえるなら、クリエイティビティを発揮してユニークな解決法を生み出すことといえます。

 

アイディアを実現するリーダーになる4つのステップ「インベンション・サイクル」を提唱するスタンフォード大学のティナ・シーリグ教授(工学部)は、革新的なアイディアについて「クリエイティブなアイディアと違って、それを生み出した本人だけでなく、世界全体にとっても新鮮でなければならない」と指摘しています。そして、そのために必要なことは、世の中を新鮮な目で見つめること、思い込みを疑うこと、状況を捉え直すこと、バラバラな分野のアイディアを結びつけることだと分析します。

 

イノベーションに至る流れとは、想像力をベースに(ひとつのことにどっぷり浸かり、ビジョンを描き)、クリエイティビティを発揮することで(やる気を高めて、実験を繰り返し)、イノベーションを起こす(フォーカスして、フレームを変えて)独自のアイディアへと発展させることとなります。つまり、イノベーションを起こす工程で私たちがやるべきことは、「フォーカス(集中)する」ことと「フレーム(ものの見方)を変える」ことの2つです。

 

イノベーションを起こす人は、1日24時間の使い方が違う

つい先日、コロナ禍でリモートワークが続く中、通勤時間について改めて考えてみたことがあります。

 

都心部で働く方々で言えば、平均片道1時間ほどかけて通勤されていますよね。これを1ヵ月に換算すると、1日2時間(往復)×営業日数20日として40時間。これは、1週間の所定労働時間にも匹敵します。これだけの時間は、どなたにとっても大きいもの。この通勤時間をどう過ごすかは、大げさな表現ではなく、私たちの人生において非常に重要なテーマではないかと思います。

 

「1日24時間は、誰しも平等に与えられています。それをどう使うかは自分次第です。私はよくアメリカ大統領もノーベル賞授賞者もオリンピック選手も、みんな私とおなじように24時間しかないのだと思い出すようにしています。こうした人たちは、私と、そして皆さんとおなじ時間で、偉業を達成する方法を見出したのです」(『スタンフォード大学 夢をかなえる集中講義』より)

 

イノベーションに至るためにクリエイティビティを発揮した後は、大切なことにのみ時間を使うこと、「フォーカス」することが必須です。アマゾン創設者のジェフ・ベゾスが、紙ナプキンの裏にループ図(事業計画)を書いたことは有名ですが、これもあくまでイノベーションに至る道のりの最初のステップ。ベゾスはその後、アマゾンを世界的な企業にまで発展させることに「フォーカス」したということですね。

 

フォーカスするための方法としてシーリグ教授は、マインドフルネス(「いま・ここ」に集中する)、エッセンシャル思考(「何に集中するか」×「どう集中するか」を定める)、7つの習慣(第3の習慣:「重要」かつ「緊急でないこと」に時間を投資する)などを活用して、「心の中のゴミ箱を整理する」ことだと述べています。

 

偉大なことを成し遂げるには、私たちの心の中に、放っておくとすぐに溜まってくる<ゴミ>を常に極力排除する習慣を身につけ、大切なことを行う空きスペースを確保し、重要事項にフォーカスし続けることに尽きるのですよね。

 

フレームを変えることで、新たなものが生み出される

私たちは、固定観念・偏見の中で日々を過ごしていると言っても過言ではありません。街ゆく人たちを見て、その外見だけで「お金持ちそうだな」「ヤンキーっぽいな」「冴えないサラリーマンだろうな」「芸能人かな?」などと無意識のうちにラベリングしているものです。当たっている場合もあるでしょうが、実は全く異なる立場やタイプの人だという場合も少なくないはずです。

 

これはビジネスでも一緒です。「あの企業には我が社の製品のニーズはない」「あの人が当社のサービスを使ってくれることはないだろう」などという思い込みが前提になっていることがあります。しかし、本当にそうでしょうか?

 

有名なエピソードに、南国の裸足で生活する住民に靴を売りに行った営業マンの話があります。営業マンAは、「なんだ、誰も靴を履いてない。営業チャンスはゼロだ」と考え、営業マンBは「なんとラッキー! 誰も靴を履いていない。全住民に靴を売れるぞ!」と捉えます。ものの見方、枠のはめ方を<フレーム>と言いますが、営業マンAとBは、同じ事実を異なるフレームで見ているのです。それによって、ものの見方から行動、結果までが大きく異なるであろうことを、皆さんにもご理解いただけると思います。

 

何かの困難にぶつかったときに、それを障害と捉えるのか、チャンスと捉えるのか、そこでどんなアイディアを出すのかは、私たちが持ち込むフレーム次第だとシーリグ教授は指摘します。そのフレームを変えることは“発想の宝箱”を開け、斬新なアイディアを解放することにつながり、発想をユニークなものにします。見方を変えるということは、チャンスを作り出す強力なツールにもなるのです。

 

なお、具体的なフレームを変える方法には、「利き手でない方を使ってみる」「自分が楽しめないことを楽しくする方法を考えてみる」「目標を達成する<バカバカしい方法>を挙げてみる」などがあります。ぜひ、発想訓練だと思って、身の回りのことや担当されている業務で実践してみてください。

 

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ここまで、「インベンション・サイクル」の<想像力>から<クリエイティビティ>、<イノベーション>までを見てきました。その中で、姿勢(ビジョンを描く、やる気を高める、フォーカスする)と行動(ひとつのことにどっぷり浸かる、実験を繰り返す、フレームを変える)によって、チャンスが明らかになり、ひらめきが起こり、斬新なアイデアを思いつけるようになることを、私たちは体得したことになります。それぞれの段階は、前の段階の上に積み重ねられることで強固な基盤となり、繰り返し活用することができるのです。

 

そしていよいよ次回は、ここまでのスキルを使い、アイディアを形にする最終ステップ「起業家精神」に移ります!

 

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この記事は、「SankeiBiz『井上和幸 社長を目指す方程式』」の連載から転載したものです。
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プロフィール

  • 井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。