2021/12/27
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私が経営者になった日
第81回
【サイクラーズ株式会社 福田社長】混沌とした世界、変化に対応して自分たちも変わっていこう。(Vol.3)
- 経営
- キャリア
- 経営者インタビュー
- サイクラーズ 株式会社 代表取締役 福田 隆氏
社長に任命された日=経営者になった日ではありません。経営者がご自身で「経営者」になったと感じたのは、どんな決断、あるいは経験をした時なのか。何に動かされ、自分が経営者であるという自覚や自信を持ったのでしょうか。
明治35年創業の資源リサイクル会社、東港金属株式会社を4代目社長として28歳の若さで継いで、飛躍的に発展。廃棄物の処理・管理にとどまらず、使用済み・廃棄された物を無駄なく循環させるサーキュラーエコノミーの実現に向けて、グループ会社を統括するサイクラーズ株式会社 代表取締役社長 福田隆氏に3回にわたってお話をおうかがいしました。
(第2回はこちら)
稲盛和夫とマキャベリで学ぶ。
企業間で不用品をやりとりできるアプリ「ReSACO(リサコ)」を19年2月に運用開始したが、Youtubeで展開している『リサオタチャンネル』も、一般の人に少しでもリサイクル業界のことを知ってもらうことが目的なのだろうか。
「Youtubeは一般の人というよりは業界向けではあるんです。広く一般の方に知ってもらうというのは、今でも苦手ですね。ずっと僕は社会人になってから、BtoBのビジネスの中で生きてきたので、コンシューマー向けっていうのは全然勘所がわからない。
だからブランドムービーや、CMを作っていくことで、知見を今、積み上げているところなんです。ブランドムービーも、例えば誰に訴求するのかみたいなのは、もうちょっと考えるべきだったなという反省点が出てきているという感じですし。いい部分と悪い部分がすごく感じられたので、自分たちで今足りない部分を、知識とか経験を積み上げているという感じです」
また読書好きの福田氏は、本からもさまざまなことを学んできたという。
「社長になってすぐ『稲盛和夫の実学―経営と会計』という本を手に取りました。実際に会社経営をするときに必要なコスト意識であるとか、そのコストを算定するために、これをどうやってやるのかということが徹底して書かれています。稲盛さんといえばアメーバ経営ですけれども、その考え方や、どこまで徹底してやらなきゃいけないのかみたいなところも書かれていて、教科書的というよりは、本当に実戦に即した内容になっていますから、非常に参考になっています」
それ以外に、この20年間、社長をやる中で、繰り返し読んだり、何かあったときに手にする本もある。
「一番繰り返し読んでいるのは、マキャベリの君主論ではなくて『ローマ史略論』です。かなり実務的なのが面白くて、例えば、リーダーはケチでいいんだと言っているんです。一方で、人...
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