2021/12/28
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異能の経営者 ~ I know. ~
第46回
【Gigi代表 今井 了介氏】「前例がない」と銀行に融資を断られたときに感じたチャンス。(vol.3)
- 経営
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- 経営者インタビュー
- 今井 了介氏 Gigi株式会社 代表取締役
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ITベンチャー「Gigi」を立ち上げた今井了介氏は、2019年、人にごちそうすることができるアプリ『ごちめし』をリリースした。
起業にあたって金融機関からは「前例がない」と融資を断られ続けたそうだが、今井氏はその反応にむしろチャンスを感じ、モチベーションが高まったと振り返る。
『ごちめし』はいまや、全国各地の飲食店約1万6000軒が加盟し、想定ユーザー数は7万人に成長。派生するサービスとして『さきめし』『びずめし』も好評を博している。
畑違いのIT業界でのビジネスは、音楽業界の経験が活かせるフィールドなのだろうか?
(第2回はこちら)
(聞き手/川内イオ)
大手飲料メーカーにはなれなくても、伊藤園でありたい
―音楽とは畑違いのアプリビジネスを始めるにあたり、どんなところで苦労しましたか?
アプリの開発にはとてもお金がかかるので、融資をしてもらえるか、公庫や銀行に話を聞きに行ったんです。そのときに、『ごちめし』は飲食店から料金を取らず、おごる側が10%の手数料を負担すると説明したら、「前例がないから融資できません」と何度も言われました。僕らはごち飯がすごく面白い事業だと始めたけど、前例がないものは融資を受けるのがこんなに難しいんだと知って、驚きました。
―前例がないから融資できないと言われたとき、どう感じましたか?
そんなに理解されないものなのかという残念な気持ちもありました。でも同時に、ちょっと天邪鬼かもしれないけど、これは面白い! という思いも沸いてきて、「なんとかして前例にしなければ」とすごく強く思いましたね。
―なぜ面白いと感じたのでしょうか?
音楽を作るときも同じですが、自分で調べたり、周りを見渡したときに類似しているものが明らかに少なかったり、明らかにまだ世の中に浸透していなかったら、「おっしゃ、やったる」と思います。『ごちめし』を始める前も、どこかで誰かがやっているだろうと思っていたんですけど、少なくとも自分が理解できる日本語圏と英語圏では見当たらなくて、「意外とこれはブルーオーシャンだぞ」と思ったら、ワクワクが止まりませんでした。だから、「前例がない」と融資を断られたときも、これまで自分が音楽業界でそうしてきたように、自分がやってみることで拓けるなにかがあるかもしれないと思いましたね。
―「DOUBLE」の『Shake』が売れたときと同じようなスタートですね。
そうですね。すごく大好きな話があるんですよ。伊藤園が缶入りのお茶をリリースしたとき、それまで日本でお茶は家でお母さんが淹れるものだった...
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