2021/12/21
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異能の経営者 ~ I know. ~
第45回
【Gigi代表 今井 了介氏】 音楽以外のビジネスを考えるきっかけになった東日本大震災。(vol.2)
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- 経営者インタビュー
- 今井 了介氏 Gigi株式会社 代表取締役
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1999年にプロデュースした「DOUBLE」の『Shake』がヒットしたのをきっかけに、音楽プロデューサーとして注目を集めるようになった今井了介氏。
そのままひとりのプロデューサーとして生きる道もあったが、2004年に2004年、作曲家、作詞家を中心とした音楽プロダクション「Tiny Voice Production」を設立。チームとして音楽制作にあたる道を選んだことで、今井氏がこれまでに制作に携わったCDとDVDの売り上げは7000万枚以上、ダウンロード数は1億回以上を記録した。
そうして音楽業界の最前線で活躍しながら、2019年にITベンチャー・Gigiを立ち上げた。
今回はなぜ、プロダクションを作ったのか。なぜ、ITの世界に参入したのかを中心に話を聞いた。
(第1回はこちら)
(聞き手/川内イオ)
プロダクションを作った理由
―「DOUBLE」の『Shake』がヒットしたのをきっかけに、音楽プロデューサーとして注目を集めました。その後、活躍の場を拡げているなかで2004年、作曲家、作詞家を中心とした音楽プロダクション「Tiny Voice Production」を設立されています。どういう背景があったのですか?
20代の頃はキャリアもお金もない、実力も足りない。それでも、若者の大いなる勘違いで「俺、最高」と信じていました。そうじゃないと、乗り切れないんですよね。いま思い返せばそのメンタリティは正しかったし、それでいろいろな障害を乗り越えるだけの猪突猛進力になったと思います。
でも、30代に突入すると、私のところにデモテープを持ってくる若手が増えてきたんです。それを聴いてみると「なかなかすごい」と感じる人がちょこちょこいるわけですね。
僕はいろいろな業界が世代交代の波を越えられなくてクリエイティブが死んでいくのを見てきました。自分が生きていくのに必死で先輩が後輩の仕事を奪うような構造だと、新しい才能が流入してこない。それはなにかすごくつまらないことだなと思ったんですよ。
―音楽業界を面白くしたかった?
はい。自分の身を守るために後輩を押しのけて、日本の音楽の進化を止めをしてしまうよりも、新しい才能にどんどん光が当たるような仕組みを作れば、日本の音楽が世界に羽ばたいて、もっと素敵なヒット曲、もっと新しいトレンドが生まれるんじゃないかと思いました。それに、そうしたほうが音楽を好きでいられるだろうなと。
―ビジネス的な勝算もありましたか?
日本の音楽業界で、作家の事務所を立ち上げた作家はほとんどいません。皆さん、ひとりでやってい...
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