TOP イマ、ココ、注目社長! 豊かな消費社会を支えている人が見えれば、守ることもできる。【前編】

2021/12/10

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イマ、ココ、注目社長!

第197回

豊かな消費社会を支えている人が見えれば、守ることもできる。【前編】

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  • 株式会社ポケットマルシェ 代表取締役 高橋 博之氏

 

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全国の農家さん・漁師さんから、新鮮な旬の食材を直接購入できるサービスのポケットマルシェ。作る人と食べる人をつなぐオンラインマルシェとして多くの消費者から支持を得ています。
もともとは政治家だったという代表取締役の高橋博之さんに、実業家に転ずる想いやこれから先の未来について伺いました。

(聞き手/井上和幸

「こんな田舎でやっていられるか!」と飛び出す

――大学時代、自分探しに没頭されたそうですね。

 

高橋 猿岩石の真似をして、バックパックを背負って旅をしていました。
僕は岩手県花巻市に生まれ、18歳で上京しましたが、「これがやりたい」と具体的なものを持っていたわけではなかったんです。「みんな、大学に行くから俺も行くか」という程度でした。当時、トレンディドラマは東京が舞台。すると憧れるわけです。すべては東京にあると。「こんな田舎にいたら俺の人生は終わってしまう」と思って。それで東京に出てきました。

 

自分探しに出たのは姉のことも影響しています。姉は知的障がいを持っていて、僕は幼い頃から「お姉さんは何のために生まれて来たんだろう?」みたいなことを考えていました。僕は不自由なく生まれている。「自分は何のために生きるのか?」と答えのない禅問答のようなことを考えていました。
高校までは毎日、学校に行かなきゃいけないけれど、大学では自由。時間があることで、その問いが僕の前にドンと大きくなってしまった。「学校に行っても仕方ない」となっちゃったんです。

 

――僕も実家が群馬県で、似たような感じで東京に出て来たのでよく分かります。その後、ジャーナリストを目指されたと伺っています。

 

高橋 当時、ワシントン・ポストの記者が調査報道で、リチャード・ニクソン大統領を辞任まで追い詰めたウォーターゲート事件というものがありました。その事件を題材にした、『大統領の陰謀』という映画があるんですけど、主演のロバート・レッドフォーとダスティン・ホフマンがカッコよくてね(笑)。
姉が障がいを持っていたことで、世間から姉や家族に対して差別や偏見を持たれていたと思いますし、僕もそれに晒されていると感じていました。姉は何も悪いことをしていないのに、なぜ、理不尽な目に合わなければいけないんだと思った、幼少期の体験も関係していたと思います。ジャーナリズムの力で理不尽を正すのはカッコよく見えたんです。

 

――受けていたのは新聞社?

 

高橋 新聞社の入社試験を100回以上受けて全滅しました。北海道から沖縄まで、受けられる新聞社は全部。面接で「学生時代、どのような社会経...

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プロフィール

  • 高橋 博之氏

    株式会社ポケットマルシェ 代表取締役

    1974年、岩手県花巻市生まれ。青山学院大卒。岩手県議会議員を2期務め、2011年9月巨大防潮堤建設へ異を唱えて岩手県知事選に出馬するも次点で落選し、政界引退。2013年、NPO法人東北開墾を立ち上げ、世界初の食べ物付き情報誌『東北食べる通信』を創刊し、編集長に就任。翌年、グッドデザイン大賞候補に選出され、決選投票の結果2位に(グッドデザイン金賞受賞)。2014年、一般社団法人「日本食べる通信リーグ」を創設し、同モデルを日本全国、台湾の50地域へ展開。第1回日本サービス大賞地方創生大臣賞受賞。2016年、生産者と消費者を直接つなぐスマホアプリ「ポ ケットマルシェ」を開始。翌年、日本最高峰ピッチコンテスト「新経済サミット」で優勝。2018年、47都道府県を車座行脚する「平成の百姓一揆」を敢行。「関係人口」提唱者として、都市と地方がともに生きる社会を目指す。2019年2月14日(木)「カンブリア宮殿」(テレビ東京系列)に出演。著書に、『だから、ぼくは農家をスターにする』(CCCメディアハウス)、『都市と地方をかきまぜる』(光文社新書)が、共著に『人口減少社会の未来学』(内田樹編、文藝春秋)、『共感資本社会を生きる』(ダイヤモンド社)がある。