TOP 経営幹部・エグゼクティブのためのキャリア&転職を考える 「No.2」という役割の魅力と、適するタイプ

2021/11/26

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経営幹部・エグゼクティブのためのキャリア&転職を考える

第14回

「No.2」という役割の魅力と、適するタイプ

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  • 鳴海 幸仁 株式会社 経営者JP ビジネスディレクター

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企業組織には、No.2という役割が存在します。
No.2は、理想的には「No.1と二人で一人の経営者の役割」を担います。 そのNo.2には代表的な 4つのタイプがあり、それぞれがNo.1と組み合わせの妙を発揮します。この4つの関係性からNo.2の役割を紐解き、No.2の魅力、どのような方に適性があるのかをお伝えします。

「ビジョンを描くNo.1、実現させるNo.2」という関係

企業にはビジョンが欠かせません。しかし、素晴らしいビジョンを描いただけでは経営は前に進みません。ビジョンを現実に落とし込み、実現をさせることが必要です。

 

ソフトバンクグループの孫正義会長は今年のグループ戦略発表の場で「スマボ」の重要性を発信しました。新しい概念、未来のあるべき姿を発信しつづける孫会長は、ビジョンを描くNo.1です。

 

同グループはベンチャー企業からスタートし、現在のようなグローバルで事業展開をする超大企業に至るまで成長してきました。ここに至るまでの過程には、孫会長の掲げたビジョンを形にしてきたNo.2が存在します。グループの大番頭といわれる宮内謙氏は、同グループの大黒柱の携帯電話事業を率いるなど、ビジョンを実現させてきた方です。
孫会長は風呂敷を広げ、ビジョンを書き換えていきます。ソフトバンクグループにて30年以上も孫会長を支えてきた宮内氏はNo.1に不欠な「実現させるNo.2」タイプだと言えるでしょう。

「得意な領域により役割分担をするNo.1とNo.2」という関係

このタイプは、No.1から「そこはNo.2に任せている」と言われるような信頼関係を築き、それぞれが補完をしながら経営を行う関係性です。

 

先ごろ空飛ぶクルマの開発を発表したホンダ。その創業期から拡大期を担った本田宗一郎と藤澤武夫は、「役割分担のNo.1とNo.2」です。
技術という強みをもつNo.1を技術以外の全てを見るNo.2が補完し、経営することで世界のホンダが生まれました。

 

現在のIT、webサービス業界においては、サービス・プロダクトに徹底的に向き合うNo.1、そのサービス・プロダクトを広げるために力を発揮するNo.2という関係が主流と言えるでしょう。

「好かれるNo.1、嫌われるNo.2」という関係

好かれるNo.1、嫌われるNo.2という関係を構築している企業は、企業組織の成長、社内の円滑なコミュニケーションのため、No.1とNo.2の役割を分けているパターンです。

 

創業10年程の、あるベンチャー企業を紹介します。

 

同社のNo.1とNo.2は同世代の創業経営者です。創業当初のメンバーは以前からつながりのあるメンバーが多く、仲の良いサークルのような雰囲気でした。順調に事業を伸ばし、組織も数十名規模へと成長します。
しかし、2〜3年前に離職者が急激に増え、事業成長が鈍化します。その頃からNo.2が企業運営の負の部分に目を向け、対応するようになりました。メンバーにとって居心地が良く、“厳しいことを言われない”環境であることに成長の限界を感じ、No.2として嫌われ役を担うようになりました。

 

No.1である経営者は社員にとっては太陽のような存在で、メンバーとの距離も近く、プライベートでも交流を大事にしています。そのような振る舞いがメンバーのやる気を向上させます。
一方、No.2は組織開発から営業、売上安定化など幅広く実務を行いながら、メンバーの行動に目を光らせています。社員からすると厳しい言動が多く、近寄りがたいこともあるそうです。

 

同社はNo.1とNo.2の役割を分けることによって事業停滞期を抜け出し、新たな成長戦略を実行するフェーズに移ることができました。

「ブルドーザー型のNo.1、ブレーキ役のNo.2」という関係

猪突猛進で全てのことを前に進めるNo.1には、ブレーキ役のNo.2が欠かせません。
ブレーキをかけるタイミングの判断は非常に難しく、No.1と長い時間をともにすることでNo.2としての役割を果たせるようになる関係です。

 

女性向けサービスを展開する某企業のNo.1は、サービスの企画力と自身の情報発信力で同社を成長させてきました。
この企業のNo.1は、経営幹部が反対するような案件があっても聞く耳はもちません。ただし、20年以上、経営を共にするNo.2の意見だけは取り入れています。

 

「あの人が何かを言うということは、何か大事なことを見落としている可能性が高い」とNo.1はNo.2からの意見を受け止めます。

 

ブルドーザー型のNo.1は前方にばかり目がいきがちです。加えて自身の意思決定は顧客、社員などのステークホルダーにとって良いことだと思える強い信念を持っています。ただし、いつまでも成功が続くことはなく、ブルドーザー型No.1の暴走によって経営危機に陥る企業は少なくありません。

 

状況が良い時でもブレーキをかけるNo.2がいることが、ブルドーザー型のNo.1をトップにもつ企業の成功には不可欠です。

No.2の適性と、No.2になるための覚悟

4つの代表的な関係を述べてきましたが、経営幹部と言われる人材が多くいる中で、No.1と共に経営執行を行うNo.2は魅力的でありますが過酷な役割です。

 

キャリア面談で「No.2のポジションを探しています」といった相談を転職希望者のかたから受けることがありますが、本当に適したNo.2ポジションを見つけることは容易でないことを、ここまでお読みいただいた皆さんには理解いただけたかと思います。
まずご紹介した4つのタイプいずれかのNo.2としての適性を、その方がお持ちであること、そして、表裏一体となれるNo.1との出会いが必要なのです。

 

No.2に共通する適性は、1)他者をたてることができること。2)自身の判断を信じてやり切れること。3)ストレス発散が上手であること、の3つです。

 

 

1) 他者をたてることができること

 

経営者と表裏一体の関係でありながら、No.1を企業の顔としてたて、ご自身は裏方に徹することが必要です。No.1が不在の場合は一人でも経営執行をすることが求められますが、ご自身が前面に出たいという性格の方はNo.2には適しません。他者をたてることができることが必要です。

 

 

2)自身の判断を信じてやり切れること

 

経営の意思決定は曖昧な情報の中で行われます。全員の意見が一致して意思決定をできることは少なく、決定に不満をもって退職する人材が現れることがあります。
そのような状況になっても、経営者としてご自身の判断を信じてやりきれることが必要です。

 

 

3)ストレス発散が上手であること

 

No.1との経営においては過度なストレスがかかるケースが多いです。そのような時に社内のメンバーに弱音をはく方や外部の知人に愚痴をこぼすような方にNo.2は務まりません。
周囲に悟られることなくご自身のストレスを発散させ、No.1 や社員、その他のステークホルダーに対して、No.2としての苦労を感じさせないコミュニケーションをとることが必要です。

 

 

こうした3つの適性をもった方がNo.2になるためには、No.1と共に何があっても一緒に成し遂げたいと思える覚悟をもてるかが重要になります。

 

No.1がとてつもなく大きく広げた風呂敷をたためるか。No.1が持っていないものを埋めることができるか。No.1に変わって嫌われ役になれるか。No.1に対してブレーキ役となれるか。

 

それぞれ一朝一夕で構築できる関係ではありませんが、No.1と一緒にやりたいと思えるならば、No.2として表裏一体になれるように覚悟をもってご自身で行動を起こすべきです。

 

 

KEIEISHA TERRACEには今回ご紹介した4つの関係性それぞれに該当するNo.1が多数登場しています。直接これだけの多くのNo.1とお会いされることはまず不可能ですが、だからこそこれらの記事をご覧いただき、将来は経営に参画したいと思っている読者のみなさまが、「No.2の役割を担いたい」ではなく、「自分はこんなNo.1とともに経営を共にしたい」、そう思えるNo.1タイプ、No.1とNo.2の関係性タイプを明らかにされながらご自身のキャリアを考えていただけますことを願っております。

 

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プロフィール

  • 鳴海 幸仁

    鳴海 幸仁

    株式会社 経営者JP ビジネスディレクター

    1982年茨城県生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒業後、株式会社レインズインターナショナルに入社。学生時代は飲食業界未経験ながらも、入社4ヶ月で異例のスピードで店長に抜擢される。東京八重洲のビジネス街店舗で店長を勤め、20歳以上年の離れた常連さま達に可愛がられながら、生きた現場の経営・ビジネスを学ぶ。その後、給与計算のアウトソーサー企業に転職し、金融・メーカーからアミューズメントなど多様な企業の文化に触れながらシステム導入担当として従事。2009年、女性向けのマンション販売促進を行う広告会社に転身。不動産業界の慣例に捕われない新しい試みと泥臭い営業を掛け合わせ、営業成績トップを走り続け、入社3年で同社営業部門トップに就任。関西圏への営業拡大、大手企業10社以上を集めるイベントを成功させるなど、事業拡大に寄与した。一つの業界のスペシャリストではなく、多くのヒト・企業にコミットできる場を求め転職を決意。 2014年10月、経営者 JP入社。様々な業界での実務経験から得たコミュニケーション能力とバランス感覚を基に、経営層・リーダー層と企業の出逢いを演出し、日本を活性化させる。

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