2021/11/24
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イマ、ココ、注目社長!
第194回
DX化が進む金融世界を通じて、人生100年時代を豊かなものへ。
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 内山 昌秋氏 PayPay 証券株式会社 代表取締役
日本初のスマホ証券「One Tap Buy」として2016年よりサービスをスタート。PCがなくてもスマホを使って1000円から日米有名企業の株式を購入できるサービス「日米株」のリリースは衝撃的でした。その後も「つみたてロボ貯蓄」、キャッシュレス決済アプリPayPayで付与されたボーナスポイントを運用できる「ボーナス運用」など、ユニークかつ画期的なサービスを次々にリリースしているPayPay証券株式会社。
わかりやすさにこだわった、とことんユーザー目線に立ったサービス設計…と見せかけて、着想の原点は「自分が使いたい」「これならおもしろい」と、ご自身が思えるものだと話す代表取締役の内山昌秋さん。今回は、そんな内山さんの次々と湧き出るアイディアの源泉や現在を彷彿とさせる学生時代からの仕事観、そしてPayPay証券の今後についてうかがいました。
(聞き手/井上和幸)
誰もやっていない新しい仕事と体験を求めて
――内山さんは、新卒で日興證券に入社されています。理工学部を出て金融系企業に就職する学生は、当時は珍しかったのではありませんか?
内山 ほぼいませんでしたね。アメリカでは少しずつ“金融工学”という言葉が出てきた頃でしたが、当時の日本では「いったい何しに行くの?」という目で見られました。担当教授にも怒られましたよ。当時の新卒採用は青田買い真っ盛りの時代で、理系の人間は教授とのネットワークで学校推薦をもらい、メーカーに就職するのが一般的でしたから。
入社後は、本社配属でシステム開発系の新規事業の部署で働きました。データトランスファーの最初期で、やることは本当にたくさんありました。
――社会がネットワークでつながっていく草創期から実務に携わることができたのは、かなりエキサイティングだったでしょうね。日興證券時代は、ずっとシステムを見られていたのですか?
内山 見ていたのはシステムを含めた海外拠点です。ニューヨーク店に行ったり、シドニー店にはオリンピックが始まる前にオーストラリア国債を発行するための仕掛け作りをしに行ったり。とはいえ最後はシステムとか事務ですから、結局フロントサイドからなにからすべてやることになるのですが。
そのなかで、ファミコントレードをはじめたり、JavaRing(※)でカレッジリングを作り、大学生を取り込む企画をやってみたりと、ユニークな仕事もさせてもらいました。僕はとにかく新しいものを作ったり、誰もやっていないことをするのが大好きだったので。
※JavaRing …1998年サンフランシスコで開催されたイベント「Ja...
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