TOP ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術 できる30代は、「これ」しかやらない

2021/11/16

1/2ページ

ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術

第118回

できる30代は、「これ」しかやらない

  • ビジネススキル
  • キャリア
  • 人事・戦略コンサルタント、HRストラテジー 代表。HR総研 客員研究員。 松本利明

 

60秒で簡単無料登録!レギュラーメンバー登録はこちら >

永遠の作業員に終わるか、脱皮して羽ばたくか、その違いをつかむ一つのコツ。

こんにちは、人事・戦略コンサルタントの松本利明です。私はPwC、マーサー、アクセンチュアなどの外資系大手のコンサルティング会社で、人事のコンサルティングに24年以上関わってきました。日系・外資系の大手企業からスタートアップ企業まで、その実績は600社以上です。
 
その中で一貫して行ってきたことは、『人の「目利き」』で、5万人以上のリストラ、7000人を超える幹部の選抜と育成になります。
 
30代は人生で一番重要で大切な時期です。人生の分岐点でもあります。
 
この分岐点、正しい道を選ぶには一つのコツを知ることですが、意外と知られているようで表に言語化されてでてきません。

ゆえに、優秀だった20代でさえ30代で期待したほど成長せず、永遠の作業員や現場の兄貴分に小さくまとまってしまうことが多いのです。その差は「能力」ではなく「働き方」だからです。

 

30代を飛躍させるには、ある一つを起点に教え、気付かせ、学ばせれば成果とスキルが爆上げします。早速解説しましょう。

30代からは、求められる「成果」のコスパが変わる

20代と30代以上では、求められる「成果のコスパ」がガラリと変わります。

 

20代までの成果は「効率」中心。上司などの指示や指導の下、期日までに正確に仕事を実行することが求められる成果です。30代以上は、求められる成果は「効果」です。

 

「必ずしも正解がない仕事でも、何とかして成果を出す」「打ち手に対して効き目や効果」をより多く出すことが求められます。なぜなら、20代はきっちり仕事を覚え、一人前以上なることが求められるので「優秀な作業員」でもよかったのですが、30代からは高付加価値が求められます。速い話が「結果をちゃんと出せ」ということです。ゆえに働き方を変えなる必要があるのですが、ここに気付いて指導できている組織は少ないのが現実です。

 

20代で評価された成功体験が邪魔をすることに加え、どうすれば効果的に成果を出せるのかインプットがないので本人の努力だけでその殻を破るのは難しいのです。

 

効果を生み出す働き方のアップデートとなるコツをインプットしてあげましょう。

数値目標に「取り組む意味」を植え込む一つの「言葉」

目標設定はSMARTにするのが正解といわれてきました。SMARTとは以下の5つのチェックポインとをクリアすることです。

 

・Specific(具体的に)誰がみても分かるように具体的にすること
・Measurable(測定可能な)目標の達成度は誰がみても判断がブレないこと
・Achievable(達成可能な)目標が希望や願望ではなく、達成可能であること
・Related(経営目標に関連した)経営目標、組織目標ときちんと連鎖していること
・Time-bound(期限がある)いつまでに達成すればいいか期限が決まっていること

 

確かにこの通りに目標設定を行うと、目標の曖昧さが減るので達成度に対してはぐうの音も出なくなるのは事実です。ただし、この目標設定ノウハウでは魂がこもりません。

 

そもそも、自分の意志でやりたいことより、組織の都合が優先されるため、上司の目標を分解して渡されたものをSMART化する作業でしかないからです。部下も空気を読みます。上司もその上の上司から与えられた目標を担っていることを知っているので大人の対応をするのです。

 

ドラッカーの3人の石工の話と一緒です。生活費を稼ぐために働いている、職人としてきっちり仕事をしている、ではつらいだけ。プライドをもって働くことに意義を見いだしても、石を積み上げること、そのものには取り組む意味を見いだせない、この状況が目標設定のマネジメントの実態でしょう。では、3人目の石工のように「村人が集う教会をつくっている」とゴールに意味を見いだし、モチベも続きやりがいを持てるようにするには「ある一言」を部下に問えばいいのです。それはその目標を達成した結果が、どれだけ「すごい」ことなのかを聞き、部下に考えさせるのです。

 

・世の中や市場にどれくらい影響を与えるものなのか?
・事業や部門に、どれくらいインパクトを与えるものなのか?
・周りの認知がどれだけ変わるくらいすごいことなのか? など

 

自分の仕事の結果がどれだけすごいことなのかを、考えると仕事に意味を自ら見つけることができるようになります。その言葉は、SMARTにする必要はありません。

 

例)

・「10年後の我が社の柱になる事業を立ち上げた伝説の社員になる」
・「Excelの集計が得意なのでほめられたい」など

 

心に浮かんだレベルでいいのです。誰にでも分かるよう具体的に……と考えた途端に作文になり心が離れるのです。

 

さらにもう一つ、自分の仕事を成し遂げた結果、相手からどんな「感謝」の声をもらえるかを考えてもらうのです。すごいことがさらに肉付けされ、目標と心のつながりが太くなります。

 

例)

・「提案の中から3つ実現できそうなものがあったね、ありがとう」
・「これでみんな集計業務の時間をなくせるね、ありがとう」
・「御社の迅速な対応のおかげで売り逃しを防げた。本当に助かりました」

1

2

プロフィール

  • 松本利明

    人事・戦略コンサルタント、HRストラテジー 代表。HR総研 客員研究員。

    外資系大手コンサルティング会社であるPwC、マーサー、アクセンチュアなどのプリンシパル(部長級)を経て現職。国内外の大企業から中堅企業まで600社以上の人事の改革に従事。5万人のリストラと7000人を超える次世代リーダーの選抜や育成を行った「人の目利き」。最近は企業向けのコンサルティングに加え、「誰もが、自分らしく、活躍できる世の中」に近づけるため、自分の持ち味を生かしたキャリアの組み立て方を学生、ワーママ、若手からベテランのビジネスパーソンにライフワークとして提供し、好評を得ている。 新刊『「できる30代は、「これ」しかやらない』(PHP研究所)、著作累計16万部以上。『「ラクして速い」が一番すごい』(ダイヤモンド社)をはじめベストセラー多数。英国BBC、TBS、日本経済新聞などメディア実績多数。講演実績多数