TOP スペシャルコラムドラッカー再論 マネジメントの多目的性と一体性。

2021/11/15

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スペシャルコラムドラッカー再論

第292回

マネジメントの多目的性と一体性。

  • マネジメント
  • エグゼクティブ
  • 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO 井上和幸

 

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マネジメントは常に行動のための意思決定に関与している。よってマネジメントには常に「時間」が付いて回る。

 

「その行動は常に、将来における成果を目標とする。単に知ることについてではなく、行動することについて責任をもつ者は、すべて未来に向かって行動する。」(『現代の経営』、1954年)

 

そもそも企業のマネジメントにとって時間という次元が特に重要であり、特に困難である理由は2つあるとドラッカーは言う。
第一に、今日の経済と技術の特質は、それに関する決定が実を結び、その効果が確認されるまでの期間がますます長くなっていくことにあり、第二に、企業のマネジメントは(おそらく企業のマネジメントだけが)、常に現在と未来の双方を生きなければならないからである。

 

「マネジメントは、現在において企業を成功させ利益をあげる。さもなければ、企業の未来そのものを失う。同時にマネジメントは、将来にわたって企業を成長、繁栄させる。少なくとも存続させる。さもなければ、資源を生産的に生かすという責任を果たさず、単に資金を食いつぶしたことになる。」(『現代の経営』)

 

企業のマネジメントにおいて、現在の業績に関わる行動派直接将来の業績を左右し、逆に研究費の支出や工場への投資など将来の業績に関わる行動は現在の目に見える数字を悪くする。

 

事業のマネジメント、経営管理のマネジメント、人と仕事のマネジメントというマネジメントの3つの機能は、それぞれ別個に分析し、研究し、評価することができる。それぞれの機能について現在と将来を区別することもできる。

 

「しかし日常の仕事の中で、マネジメントがそれらつの機能を別個に扱うことはできない。また、現在のための意思決定と将来のための意思決定を区別することもできない。」(『現代の経営』)

 

マネジメントの意思決定は、常にそれら3つの機能に影響を与える。従って常にそれら3つの機能を考慮する必要がある。しかも将来に関わる最も重要な意思決定は、研究費、苦情処理、昇進、解雇、保全基準、顧客サービスなど、現在に関わる意思決定として行われる。

 

「3つの機能のうち、いずれが優先し、いずれがより高度の技能や能力を必要とするかをいうことはできない。順序としては事業の業績が最初にくる。それこそが企業の目的であり存在理由である。」(『現代の経営』)

 

だが、そもそも企業が経営管理者の力によって機能するものとなっていなければ、いかに事業をマネジメントしたとしても業績があがることはない。人と仕事のマネジメントがうまく行われていなくでも同様だ。

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プロフィール

  • 井上和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1989年早稲田大学卒業後、リクルート入社。2000年に人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。2004年よりリクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)。2010年に経営者JPを設立、代表取締役社長・CEOに就任。 『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ずるいマネジメント』(SBクリエイティブ)『30代最後の転職を成功させる方法』(かんき出版)など著書多数。