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2021/11/08

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スペシャルコラムドラッカー再論

第291回

マネジメントの3つの機能:第3の機能<人と仕事をマネジメントすること>

  • マネジメント
  • エグゼクティブ
  • 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO 井上和幸

 

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マネジメントの第3の機能は、人と仕事をマネジメントすることだとドラッカーは言う。

 

「仕事は行われなければならない。そして仕事は、まったくの非熟練工から名人級の技術者、雑役から副社長にいたる、あらゆる種類の人たちによって行われる。そこで、人に最も適するように仕事を組織し、最も生産的かつ効果的に仕事ができるように人を組織することが必要となる。」(『現代の経営』、1954年)

 

そのためにこそ、人を資源として見ることが必要だとドラッカーは念を押す。

 

「例えば、資源としての銅の特性と同じように、人の特性、能力、限界を見ることが必要である。しかも同時に、そのような人的資源を、他の資源とは異なり、個性や市民性を持つ存在として見ることが必要である。」(『現代の経営』)

 

更には、そもそも、自らが「働くか否か」「いかに働くか」「いかによく働くか」を自己決定できる存在。動機づけ、参画、満足、報酬、リーダーシップ、地位と機能を要求する存在として人を見ることが必要だと。

 

「まさに、そのような要求を満足させることのできるものがマネジメントであり、それをできるのはマネジメントのみである。」(『現代の経営』)

 

なぜならば、それらの要求は、企業において仕事を通じて満足させなければならないものであり、マネジメントこそ企業を動かす機関なのだとドラッカーは明言する。

 

さて、ここまでマネジメントの3つの機能を紹介してきたが、ドラッカーは、マネジメントに関わる問題、決定、行動にはもうひとつの要素があると言う。

 

「マネジメントの第4の機能というより第4の次元というべきものである。すなわち時間である。」(『現代の経営』)

 

そもそもマネジメントは、常に現在と未来という2つの時間を考える必要がある。
長期的な利益を犠牲にして目前の利益を得ても、成果をあげたことにはならないし、逆に壮大な未来のために、いま災厄を招くようなリスクを冒す意思決定を行うことは無責任である。
いま目覚ましい業績をあげたとしても、その後燃え尽きて沈んでしまう船だけを残したとすれば、現在と未来のバランスに失敗した無責任なマネジメントと言われるだけだ。そのような目先の業績は、経営管理上の数字の嘘であり、資金・資産を食いつぶしたに過ぎない。

 

「現在と未来を同時に満足させず、調和させず、あるいは少なくともバランスさせることができなければ、富を創出する資源としての資金は、危険にさらされ、損耗させられ、あるいは消失させられることになる。」(『現代の経営』)

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プロフィール

  • 井上和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1989年早稲田大学卒業後、リクルート入社。2000年に人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。2004年よりリクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)。2010年に経営者JPを設立、代表取締役社長・CEOに就任。 『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ずるいマネジメント』(SBクリエイティブ)『30代最後の転職を成功させる方法』(かんき出版)など著書多数。