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TOP これからの時代はスタートアップが世界を作る。 日本のポテンシャルを考えると、もっとユニコーンが出るべきである(Vol.5)

2021/11/15

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これからの時代はスタートアップが世界を作る。

第5回

日本のポテンシャルを考えると、もっとユニコーンが出るべきである(Vol.5)

  • 経営者インタビュー
  • スペシャル対談
  • 株式会社ユニコーンファームCEO 関西学院大学大学経営戦略大学院 客員教授 田所 雅之氏
  • 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO 井上 和幸

 

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「経営者を語る」――今回のゲストは株式会社ユニコーンファーム 代表の田所雅之さんです。田所さんは1978年の生まれ。2017年にユニコーンファームを設立。「イノベーションに革命を起こす」をミッションに、「ユニコーンを1,000社創造する」をビジョンに掲げ、講演や事業会社、スタートアップ向けにさまざまなサービスを展開しています。著書である『起業の科学』『起業大全』は起業家、経営者のバイブルとも呼ばれており、さらに新しく『超入門 ストーリーでわかる「起業の科学」』を刊行されました。

 

今回の対談では、「新規事業の創出にあたり、気をつけなければいけないこと」などについて、弊社代表取締役社長・CEO井上和幸と語り合っていただきました。(全6回)。

 

 

(Vol.4はこちら

井上 『起業大全』を拝見して、改めて自社のことも含めて「ここはこうだな」みたいなことを考えたり確認する拠り所にさせていただいています。楠木さんの『ストーリーとしての競争戦略』も、当社の戦略ストーリーを会社の中で共有しています。その辺のところはいつも考え続けたり、みんなで共有するのも、とても大事だと思っています。これから、ユニコーンファームさんは、どんなことをやられるのでしょうか?

 

田所 元々、会社をやる予定はなくて、どちらかというと印税対策で会社を作ったという(笑)。

 

井上 なるほど(笑)。

 

田所 それがいま4年、5期目です。ありがたいことに本が出て、年間で150回ほど講演をさせていただいたり、スタートアップ、小さい会社も含めて数千社のメンタリングをやらせていただいてきたなかで、最初の想いは変わっていなくて、僕はユニコーン型だけじゃなくて、最近だと、ゼブラ型というのもあると思うのですが、やはり僕は「知の探索」は人間にしかできないと思うんですね。「知の深化」は、AIでもできる。逆にAIの方が得意。

 

僕はイノベーションを極めてシンプルに考えて、「遠いものをつなげる」と考えているのですが、そこってたぶん100年経っても絶対、人間にしかできないことだと思うんです。人間にしかできない仕事や、人間にしかできないこと。そういった到達点は、僕は可能性として信じています。

 

僕が、最近、すごく好きなのは「最大多様性の最大幸福」という表現です。
おそらく2010年代までの最大人数の最大幸福は、GAFAの時代だったと思うんですね。でもいまの時代、これだけデジタルが浸透していくと、いろんな対応の生き方、人々の最大幸福が大事になってきた。起業はまさに、最大多様性の最たるものだと思っています。

 

井上 なるほど。

 

田所 5Gやテクノロジーを使うことで、これまでリーチできなかった、極端な話、レア疾患の患者さんを治せたり、ロングテールの方々が結びつくような世界を実現できる。それを実現するのが、スタートアップ。やはり起業することじゃないかと思っています。

 

実現するには、人間にしかできない仕事の部分と、そのゴールである最大多様性の最大幸福。そのビークルとして、僕はスタートアップやベンチャーが非常に大事だと思っています。世の中の課題は、そこに対して体系的なノウハウを提供している人が、いないことだと思っています。

 

僕の経路依存性でいうと、たぶん死ぬほどそこを考えていて、死ぬほどそこをやってきた。この日本という市場では、それは認知されている。オセロの4角が1個取れたという感じ。いま400人の起業家を育てるラボや塾もやっています。そういうことをやることによって、非常に優秀なメンバーが集まってきている。彼らに対して僕のやり方をインストールすることによって、そこの部分をどんどん厚くする。

 

自分自身、ユニコーンファームも、やはりユニコーンにして行くと考えています。そのためには、戦略の側面でもそうですし、良い人集めるとこもそうですし、自分たちのビジョンを、ちゃんと持ってやることだと思っています。

 

井上 ユニコーンファーム社自体もユニコーンになる。1000分の1社はユニコーンファームさん自体である。

 

田所 自分自身が、ユニコーンになるという気持ちがないと、僕はいけないと思っています。

 

井上 それはすごく分かります。

 

田所 なので、思考としては、スモールビジネス的な側面もあるのですが、やはりスタートアップ的にユニコーンファームは考えていて、どうやったらスケールできるか、そのことはすごく考えていますね。

 

井上 なるほどです。いま、スタッフは何名くらいなのですか?

 

田所 業務委託いれてまだ10名ほどです。

 

井上 記事で拝見しましたが、それなりのサイズになっていこうと思われているのだとか?

 

田所 そうですね。ベンチャーキャピタルを立ち上げようとしています。最初のファンドは、サイズは小さいですが、スケールしていくには、お金を集めて投資していくやりかたが適していると思います。日本には現在10社ほどのユニコーンがいますが、日本の経済ポテンシャルを考えるとこの10倍は増えても良いと考えています。

 

井上 ユニコーンファームさん自体、ちょっと愚問だとは思うのですが、今後に向かって、スタートアップ・バランス・スコアカードの形で作っていかれるという理解でよいのですか?

 

田所 そうですね。そういうのを作っています。まだ、10人ほどの小さい会社なので、そこまでマネジメントせずにできています。ただ、10人ですが、PR、人事、マーケもいて、コーポレートは結構いるんですよね。逆にデリバリー人材が僕を入れて3名しかいない。なので、スケールができる体制には常にしているところはありますね。

 

井上 田所さんが全体最適とおっしゃるところは、僕もすごくそう思います。ただ、リソースが限られている。重要なところから手を付けて、途中、途中で選択していかないと手が回らない。それが、みなさんの悩みです。どこから手を付けたらいいのかというご相談もよくされます。

 

田所 ビジネスモデルにもよるとは思います。仕入れがあって、在庫を抱えるモデルだったら、当然、回転率やオペレーション、売り上げから手を付けるべきでしょう。知識産業だったら、基本的に人がどうやってデリバリーしていくかみたいなところにある。ビジネスモデルによるのかなと思います。

 

でも、そうですね、まさにその「何がクリティカルなポイントか」を見つけるのが大事でしょうね。そこの外部環境が変わることによって、CSF(※1)は変わってくると思う。どこにレバレッジ効かせれば一番効果があるかと、常に言語化していくこと。

 

※1 CSF =critical success factor、ある目標を達成するためにもっとも重要とされる要因のこと。

 

スタートアップ向けにもよくやっているのが、全体像のなかで、いま、どこがボトルネックになっているのかを考えた上で、制約理論とかパレートの法則じゃないですけども、全体の2割が8割の制約になる場合が非常に多いんです。だからそこの部分は可視化する、言語化するということはアドバイスのなかでやっています。

 

起業家の仕事は、市場を再定義すること

井上 「どこなんだ」ということをしっかり特定していくということですね。
今回、ご登場いただく「KEIEISHA TERRACE」でも、スタートアップから、ある程度形が見えてきたところの成長ベンチャーに入りかけか、いま成長ベンチャーになっているかというところがベンチャー系の企業としては多い。その彼らはピボットしているケース多いんです。ミッション、ビジョンは変えていないんですけど、最初の事業構想のままではマーケットがなかった。

 

で、ピボットする。ちょっと偉そうなこと言うと、いろいろ見ていて、かなりの投資を受けていらっしゃるスタートアップさんは多いですが、「市場はたぶんないだろう」と思うところにアプローチされているスタートアップもあるんですよね。

 

田所 市場がないというのは確かにそうなんですが、僕は起業家の仕事は、市場を再定義することだったり、ドメインを再定義することだと思うんですね。

 

例えばUberも、最初はものすごく小さく認識されていた。「あなたたちがやっているのは、リムジンタクシーの市場です」と言われたんですよ。アメリカでリムジンタクシーの市場は大体50億円くらい。パーティーやプロムで1日1台くらい走っているくらいの大きさ。でも、そうじゃなくて、移動サービスをすると捉えたことで、市場規模が10兆円くらいになった。自分たちの市場の捉え方です。

 

あと、やはり言葉にしていくことだと思うんです。言葉になってないからこそ、大手が動けないことがあると思う。なので、そこの部分を深く思考していいかどうかが大事。既存の市場の中で、「こんな感じで定義します」となったら、僕は良くないと思います。

 

さらに、今後5年10年で市場がどのように変化していくかという見立てですよね。先ほど、PFMF(※2)と言いましたが、いまの当たり前ではなくて、「5年後の当たり前って何だっけ?」みたいなところから、ある意味、バックキャスティングで考える。12年前なんてスマホ市場とかほとんどなかったわけなんですね。

 

※2 PFMF=Product Future Market Fit、少し先の未来に対して、プロダクトを最適化する視点。

 

井上 そうですね。

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プロフィール

  • 田所 雅之氏

    株式会社ユニコーンファームCEO 関西学院大学大学経営戦略大学院 客員教授

    これまで日本で4社、シリコンバレーで1社起業をした連続起業家 2017年発売以降115週連続でAmazon経営書売上1位になった「起業の科学 スタートアップサイエンス」及び「御社の新規事業はなぜ失敗するのか? 企業発イノベーションの科学」 「起業大全」の著者。 2014年から2017年までシリコンバレーのVCのパートナーとしてグローバルの投資を行う。 現在は、スタートアップ経営や大企業のイノベーションを支援するUnicorn FarmのCEOを務める。 年間の講演回数は160回(2019年実績) 新規事業アドバイス/メンタリングは600回(2019年実績) 内閣府タスクフォース(価値デザイン社会審議会)メンバー 経産省主催STS(シード期の研究開発型ベンチャーに対する事業化支援)の協議会メンバー 経産省主催TCP(ベンチャー支援プログラム)のメンター/審査員 などを歴任

  • 井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1989年早稲田大学政治経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。人材開発部、広報室、学び事業部企画室・インターネット推進室を経て、2000年に人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。2004年より株式会社リクルート・エックス。エグゼクティブコンサルタント、事業企画室長を経て、マネージングディレクターに就任。 2010年2月に株式会社 経営者JPを設立、代表取締役社長・CEOに就任。経営者の人材・組織戦略顧問を務める。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供している。人材コンサルタントとして「経営者力」「リーダーシップ力」「キャリア力」「転職力」を劇的に高める【成功方程式】の追究と伝道をライフワークとする。 自ら2万名超の経営者・経営幹部と対面してきた実績・実体験を持つ。