TOP スペシャルコラムドラッカー再論 マネジメントの3つの機能:第2の機能<人的資源を使って生産的な企業をつくること>

2021/11/01

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スペシャルコラムドラッカー再論

第290回

マネジメントの3つの機能:第2の機能<人的資源を使って生産的な企業をつくること>

  • マネジメント
  • エグゼクティブ
  • 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO 井上和幸

 

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「経済的な成果をあげるために企業は存在する。したがってマネジメントの第二の機能は、人的資源を使って生産的な企業をつくることである。具体的には、経営管理者をマネジメントすることである。」(『現代の経営』、1954年)

 

企業に存在意義・価値があるのは、そこに投入される資源の総計を上回る優れたアウトプットを生む存在だからだ。
投入された資源がなぜそれを上回る質と量を出力することができるようになるのかといえば、資源そのものや資金が変化をもたらすわけではない(もたらすことはできない)。その変化をもたらすのがマネジメントだとドラッカーは確認する。

 

「しかも、成長可能な資源は人的資源だけであることが明らかである。他の資源はすべて機械的な法則に従う。利用の巧拙はあれ、産出が投入を上回ることはない。それどころか、人以外の資源を投入した場合には、摩擦等による不可避の消耗をいかに最小にするかが問題になる。われわれは利用できる資源のうち、成長と発展を期待できるものは人だけである。」(『現代の経営』)

 

そのうえでドラッカーは、通常、我々は一般従業員を経営管理者と区別し、指示された通りに働くものと定義する(他の物的資源と同じように見る)が、それは重大な間違いだと指摘する。
この誤りは、従業員の仕事の定義に原因があるのではない。従業員の仕事の多くがマネジメント的な要素を含み、うまくマネジメントするならば、極めて生産的な仕事にすることができるという事実を見逃しているところに原因があるのだ。

 

「要するに、企業を企業たらしめるものはマネジメントであるという事実に変わりはないのである。」(『現代の経営』)

 

ここでドラッカーは、少し我々(少なくとも私)の感覚とは異なる言葉の使い方について触れている。

 

「われわれは、企業の正式な構造という意味で<組織>という用語を使う。この場合の組織とは、経営管理者とその機能からなる組織のことであり、レンガやモルタルや一般従業員は意味していない。またわれわれは、<リーダーシップ>や<組織の分化>という用語を使う。しかし、リーダーシップとは経営管理者のものであり、マネジメントにおいて意味をもつ。組織の文化もマネジメントの文化によってつくられる。さらにわれわれは、企業の<目標>や企業の<業績>という用語を使う。企業の目標とはマネジメントの目標であって、業績とはマネジメントの業績である。」(『現代の経営』)

 

これらはすべてマネジメント用語であり、重要なことは一般従業員の仕事の中にも多分にマネジメントに関する業務が含まれているのだということをドラッカーは...

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プロフィール

  • 井上和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1989年早稲田大学卒業後、リクルート入社。2000年に人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。2004年よりリクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)。2010年に経営者JPを設立、代表取締役社長・CEOに就任。 『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ずるいマネジメント』(SBクリエイティブ)『30代最後の転職を成功させる方法』(かんき出版)など著書多数。