TOP 経営幹部・エグゼクティブのためのキャリア&転職を考える 幹部転職において、あなたが伝えるべき3つのポイント

2021/11/12

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経営幹部・エグゼクティブのためのキャリア&転職を考える

第12回

幹部転職において、あなたが伝えるべき3つのポイント

  • 転職
  • キャリア
  • 株式会社 経営者JP ディレクター 兼 エンタープライズサービス統括本部 部長 伊藤 博紀

 

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日々、多くの方々から「経営幹部としての新天地を検討しています」と転職相談をいただいております。そのような皆さんは、現職においてもご活躍中である中で、それまでのご経験とご実績をもとに新たな場での経営幹部としての可能性を探していらっしゃいます。

 

そのような中で、経営幹部としての新天地を勝ち取るために最も重要なポイントは何か。それは「幹部転職として、あなたが応募先企業に伝えるべきことを伝えきれているか」ということです。幹部転職において、企業側が経営幹部に求めていることが何かをしっかりと理解した上で、転職活動を進められているかどうかでその先の明暗が大きく分かれます。

 

それでは、企業側が経営幹部に共通して求めていることは何か。それは「あなたが経営者的思考を持ち、行動できる人かどうか」ということです。幹部転職において、一般的な転職と企業側が求めていることは全く異なり、会社という組織を俯瞰的に捉え、判断・決断し、企業成長を牽引していただける方との出逢いを大きく期待しています。

 

ここでの経営幹部に求められる「経営者的思考」を大きく分けると、
①目標の設定、方向付け
②資源調達と配分
③実行の動機付けと進行管理
の3つだと私は考えています。
つまり、幹部転職であなたが応募先企業に伝えるべきことは、極論、この3つができるという事実と証拠だけなのです。

 

「①目標の設定、方向付け」の伝え方

経営幹部を求めている応募先企業は、現状の経営課題を打開もしくは、更なる企業成長を目指す上で「あなたなりの目標設定」と「具体的な戦略・戦術」を知りたいと考えています。ここでのポイントは、単なる数字だけの事実ではなく、応募先企業にどれだけリアル感が伝わる、あなただけのエピソードを伝えることができるかどうかです。

 

例えば、あなたが営業職での幹部転職を検討している場合、「営業部門XX名を管轄し、売上目標XX億円を達成してきました」といった事実だけを伝えるのではなく、「なぜ、そのような売上目標を設定したのか」「売上目標を達成するために、どのような戦略・戦術を考え、実行してきたのか」という具体的なエピソードを伝えてみてください。

 

応募先企業は、あなたがどれだけの実績をお持ちなのかを知りたいと考えている以上に、どのように実績を上げてきたのかを知りたいと考えています。あなた自身の具体的なエピソードを聞く中で、応募先企業は「その目標設定には納得感があるな」「そんな戦略・戦術の発想・経験を持っているのか」「その戦略・戦術は、まさに同社でも再現性が持てそう」と感じたいのです。

 

「②資源調達と配分」の伝え方

目標達成に向けた組織運営の中で、十分な資源(人員)を調達し、どのように配分してきたのかは、経営幹部の手腕が大きく分かれるポイントであり、応募先企業がカルチャーフィットの視点で見ているポイントです。

 

例えば、当初想定していたメンバーが思うように機能しなかった場合、どのようにチームを差配してきたのかは、その時々の状況、人それぞれの判断・決断によって異なりますよね。同じような場面であっても、人によってはメンバーの再配置によって状況を打開しようと考えることもあれば、組織全体を見た時に再配置では打開が難しかったので、新たな人員を確保しようと考えることもある。時として、目標を達成するためには苦渋の決断をくださなければいけなかった場面もあると思います。

 

この判断・決断に対して、何が正解であったかは一概には言えないと思いますが、応募先企業が「なるほど、その組織運営は上手だな」と感じられる組織運営ができているかどうかが重要になります。だからこそ、「その時の場面がどのような状況であったのか」、「打ち手として取れる手段として何があって、その中でどのように判断・決断したのか」という具体的なエピソードを伝えてみてください。

 

応募先企業は、あなたがどれだけの規模感の組織を運営してきたのかを知りたいと考えている以上に、どのように組織を作り上げ、運営してきたのかを知りたいと考えています。

「③実行の動機付けと進行管理」の伝え方

応募先企業は、あなたが経営幹部として、これまでの組織運営の中でいかにメンバーを動機付けてきたのか。そして、どのように思考錯誤しながら、組織運営を進めてきたのかを注意深く見ています。

 

いかにうまくメンバーを動機付けできるかは、目標を達成できるかどうかに大きく関わってきますよね。目標達成に向けて、いかにメンバーの一人ひとりが能動的に仕掛け、動ける環境を作れるかは、経営幹部次第です。必然的に動機付けがうまくいっていない組織においては、目標を達成できていないことが多く、そのような経営幹部は幹部転職では求められません。

 

また、進行管理を行う上では、単に進行度合いの状況確認に留まらず、組織全体を俯瞰的に捉え、先を見据えた進行管理を行えるかどうかが問われます。これは経営幹部としては、「計画通り順調に進行しているね」というだけの進行管理では事足りず、「今は計画通り進行している中で、更に進行を進めるためには何が出来るのか」「この先に、どのようなリスクが待っているのか」を常に先読みする力が応募先企業からは求められます。

最後に、これまで私がご支援させていただいた方の中で、これらの3つのポイントをしっかりと伝え、ご自身が希望する新天地を勝ち取った方を一例としてご紹介させていただきたいと思います。

 

その方は金融機関でのファイナンス支援業務を経験後、とある事業会社で取締役COO兼CFOを務めていらっしゃいました。そのような中で、当時所属していた会社の経営方針との乖離を感じ、新天地では自らが経営トップとして活躍できる場所を求めていらっしゃいました。

 

当時所属していた会社では、着任当初、経営計画、予算計画、キャッシュフロー計画などの実績管理業務が滞っていた状況を受けて、まずは各所に現状況をヒアリング、可視化し、全社員が共通目標を意識した上で業務が行えるように事業計画を策定。(①目標の設定、方向付け)その後、各メンバーが自律的にビジネスを推進できるように組織体制、管理体制の最適化を考案、再配置されました。(②資源調達と配分)と同時に、メンバーの成果に対するコミットメントとリターンの明確化、チームワークが発揮できる体制、売上だけではなく、お客様の評価も考慮した人事評価等を設計。(③実行の動機付けと進行管理)結果として、着任1年目で経営指標は改善し、売上高は創業以来、過去最高額を記録されました。

 

実際には、それぞれのエピソードの中で具体的な数字、プロセスも交えながらお話いただいたことで、私自身も「ぜひ良い新天地をお引き合わせしたい」との熱い想いを抱いたことを今でも鮮明に覚えています。

 

現在、幹部転職を進めている方で、なかなか転職活動がうまくいかない方は、3つのいずれかについて、見えない・期待できない・不安があると、応募先企業が判断しています。もし、あなたがそのような状況であれば、改めて、ご自身の「経営者的思考」を整理し、棚卸してみてください。そうすることで、あなたが望む新天地との良縁が勝ち取れることを願っております。

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※現状ご経験に合う案件情報が無い場合には、案件情報が入り次第のご面談とさせて頂く場合がありますこと、あらかじめご了承ください

プロフィール

  • 伊藤 博紀

    株式会社 経営者JP ディレクター 兼 エンタープライズサービス統括本部 部長

    1984年広島県生まれ。フューチャーアーキテクト株式会社、株式会社シグマクシスを経て現職。製造業において創業50年以上の実績を積み重ねてきた創業経営者である祖父の後姿を幼少時代から垣間見る中で、祖父が持つ実直な「経営観」、懐の深い「人生観」に強い影響を受ける。2004年、大学進学をきっかけに上京。在学時はコンピュータサイエンスを専攻。プロジェクトマネジメントに関する産学連携プロジェクトに参画し、最優秀賞を受賞。その後、日本最大級のQ&Aサイトを運営する株式会社オウケイウェイヴへのインターンシップに参画し、外資系コンサルティングファームで元秘書を務めていた方との出会いからコンサルティング業界への参入を決意する。大学卒業後、2008年4月、独立系ITコンサルティングファームのフューチャーアーキテクト株式会社に入社。流通・小売業界を主軸に、要件定義、システム設計・構築、運用保守までを一気通貫して従事。お客様からのビジネス・システム要件を具現化し、ゼロベースから実現策を考え抜き、導き出す力、実現策をスピーディに実行に繋げるためのシステム構築力を習得する。その後、2012年12月に総合系コンサルティングファームの株式会社シグマクシスに移籍。投資総額数百億円を超える大型プロジェクトPMO、次世代IT化戦略構想等に従事し、2015年に年間プロジェクト表彰を受賞。また、プロジェクト活動以外にも自社の新卒採用GD担当を務める等、社内活動においても貢献。 これまでコンサルタント人生10年間を直向きに歩み、様々なお客様の「モノ」の実現に携わらせていただく中で「ヒト」に関するお客様の多種多様な悩み・課題に直面してきたことから、自身の「ビジネス観」と「人生観」からビジネスキャリアを再考し、2018年1月、経営者JPに参画。お客様のビジョン実現に向けて、既成概念にとらわれず、経営課題の真髄を捉えた「真の企業変革パートナー」を志し、日々鍛練を続ける。