2021/11/25

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経営幹部・エグゼクティブのためのキャリア&転職を考える

第13回

面接でデキる人と、実際にデキる人

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幹部層の採用・転職において、面接でデキると思われることと、実際の入社後の稼働でデキることは違います。
私がこれまでお会いしてきた中にも、下記のような方々がいらっしゃいました。

 

① 面接では評価が良いが、実際の稼働では苦労をされる方
② 逆に、実際にデキる(お力があり入社後もご活躍いただける)方なのに、転職活動では苦労をされる方

 

当然のことながら、面接で大いにご期待とご評価をいただき、入社後も大活躍いただけることがベストです。
ではなぜ、このようなギャップが生まれるのか。その主な要因を分類しました。
またそれぞれのパターンに陥らないように、ご転職活動中の方にご参考いただきたい簡単なアドバイスを記載しています。

 

面接でデキるが、入社後に苦労される方

このケースは主に、「すり合わせが足りなかったこと」が要因となります。
分類すると、以下の三つのようなケースが多いです。

 

 

1)何でも出来ます、と言ってしまう方

 

端的に言うと、「自己分析不足」のケースです。
幹部層の面接であればお相手は経営層になりますが、彼らはそれぞれの領域における歴戦の方々である一方で、面接のプロではありません。面接でもある程度想定や、思い込みを持って相対される場合もあります。
面接に臨む方々も素晴らしいご実績をお持ちのため、「全般何でもできます!」と言われれば、お相手に「おお、心強い・・!」と思っていただける可能性はありますが、実際にはこの言葉はギャップを生むことが多いのです。
それは候補者側の「現職で求められる役割の中では全般何でもやり、かつ全て達成してきた」という”実態”と、企業側の「ウチの状況の中でも、柔軟に何でもやっていただけるのだな」という”期待・思い込み”がすれ違うためです。
仮に同じ職種でも、事業・組織・フェーズが変われば、勝手は大きく異なるため、ご自身のできる範囲を明確に認識することが、入社後のご活躍に直結します。

 

アドバイスとして、業務ごとのご経験の濃淡や、できること・できないことをしっかり区別してお話しいただくことが重要です。

 

 

2)ミッションや環境のすり合わせが足りない方

 

こちらは「他社(企業)分析不足」のケースです。
例えば財務(資金調達)について、順行モードの大手企業で銀行とやり取りすることと、ベンチャー企業で融資や投資を引っ張ってくるのとでは動き方や能力の使い方が異なることはイメージいただけると思います。また、出来上がった組織をリードするのと、未整備な環境で組織を率いるのとでは、これもまた大きく勝手が異なります。
お相手の事業状況や、組織環境、その中でどういった動きや実績が求められているのかということのすり合わせが足りていないと、達成すべき成果は認識して入ったものの、実際にはご自身のご経験では対応しきれない事案や、組織や人がこうだったら・・というギャップが生まれるのです。

 

アドバイスとしてはご自身の中で「このような環境で、こうした期待値だったら出来る」という想定を持ちながら、面接の中で情報を引き出し、綿密なすり合わせを行っていただければと思います。
もちろん、身の丈にあった場所を選んでくださいということではなく、十分に入社後のイメージを持った上で、チャレンジングなミッションについても挑んでいただきたいということです。

 

 

3)取り組みたいと本気で思えるミッション・業界では無いところを選んでしまう方

 

若手であれ、幹部層であれ、転職活動は孤独や不安を伴うもの。中には様々な事情により、結果を急がなくてはならない方がいらっしゃるのも事実です。しかし「心から熱中できる事業・ミッションでは無いが、内定の中からベターなところを選んだ」というケースは、不幸な結果を生む可能性があります。
前述のようなすり合わせをどこまでしても、入社後は様々なギャップが生まれるものですが、このようなケースの方はそのギャップを許容できなくなるのです。また単純に入社後のパフォーマンスの低下を生むことも考えられます。
「いやいやプロなんだからそこは割り切りますよ」という方もいらっしゃるかもしれません。そうであればもちろん良いですが、実際にご転職相談の場では、やりたいこととのギャップにより次のご転職というご判断をされるケースが多いのも事実です。例えば「もっと社会貢献性の高い事業を自ら推進したい」「ビジネスや待遇が魅力で入社したが、実際のミッションや裁量の小ささに物足りなさを感じている」といったものです。

 

これまで私がお会いし入社後に成功されている方々は、「ネガティブな要素がより少ないところを選んだ」方ではなく、「ポジティブな要素が強く合致・共鳴しており、多少のネガティブな要素があっても許容できる」という状態でご決断をされた方が多いです。アドバイスとして、「やれる」だけでなく「やりたい」と心から思えているかという点を最後まで重視いただければと思います。

 

 

実際にはデキる方なのに、面接で苦労をされる方

このケースは主に、「伝わっていないこと」が要因となります。中でも多いのは、下記の二つのようなケースです。

 

 

1) 熱量や、「なぜ御社なのか」を十分に伝えていない方

 

幹部層の面接では、人となりや「なぜウチなのか」という動機を若手以上に重視されます。
これは人を巻き込むポジションであり、要職だからこそ志をともにできる方に同士となっていただきたいという想いがあるためです。
なかには「求められば成果を出します」というスタンスの方がいらっしゃいます。それ自体は事実であっても、幹部層としてお招きするにはもう一つ共鳴を求めたい、ということがお相手の心理です。

 

アドバイスとしては単純なことですが、価値提供先であるユーザーや、事業を成長させた先の世界観にも想いを馳せ、そこへの共感を持っていること、その熱量を伝えていただければと思います。

 

 

2) 話に具体性が見えない方

 

面接の後にこのようなフィードバックをもらったことがある方も、少なからずいらっしゃるのではないかと思います。これは断じて「優秀ではない」という意味合いではありません。
ご自身が実行してきた中では、ご実績の背景となる具体的な取り組みや、それに至る細かい経緯や検証があるにもかかわらず、それを言語化するところに不足がある方がいらっしゃいます。
お相手としても、具体性が見えず、実際にこの方が入り一緒にやっているイメージが湧くか?という点に接合していかず、お招きするに至らないケースが多くあります。

 

幹部層の皆さんの面接においては、大きな目標や実績にまず焦点がいくケースが多いです。アドバイスとして、そのご経験を説明する中で、会社のどういった課題感から始まったのか、ゴールを達成するための業務のブレークダウン、展開のプロセス、組織をどうまとめモチベートしてきたかといった詳細をお話ししてください。
またそれも、お相手のご興味に合わせて、大きな目的から小さな施策までを上手く繋げながらお話し、先方に明瞭なイメージを持っていただくことが重要です。

 

面接という限られた時間で全てを理解いただくのは難しいことです。双方思い込みや様々な期待が入り混じる中での場となりますが、入社するだけでなく、その後にパフォーマンスを十分に出す為には、という視点を持ち、対話をしていただくことが重要です。
是非これらの観点をご参考いただき、転職活動とその後の活躍、双方の成功を実現いただければ幸いです。

 
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