TOP スペシャルコラムドラッカー再論 マネジメントとは、何か。

2021/10/18

1/1ページ

スペシャルコラムドラッカー再論

第288回

マネジメントとは、何か。

  • マネジメント
  • エグゼクティブ
  • 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO 井上和幸

 

60秒で簡単無料登録!レギュラーメンバー登録はこちら >

 

 

マネジメントとは何か。それは何をするものか。
読者経営者・幹部の皆さんには、愚問過ぎる質問かもしれないが、さて、どうお答えになるだろう?

 

ドラッカーは、マネジメントはその重要性、存在感、発展ぶりにもかかわらず、社会の基本的な機関のうち最も知られず、最も理解されていないと指摘する。

 

「企業の中でさえ、マネジメントが何をしているか、何をすべきか、いかに活動しているか、なぜ活動しているかは知られていない。」(『現代の経営』、1954年)

 

この問いに対しては、通常2つの答えが与えられているとドラッカーは述べる。

 

「一つは、マネジメントとはトップマネジメントであるとの答えである。この場合、マネジメントはボスと同義である。もう一つは、マネジメントとは人の仕事を方向付けるものであり、他の人に仕事をさせることをもって自らの仕事とする者であるとの答えである。」(『現代の経営』、1954年)

 

しかしこれらの答えは、誰がマネジメントであるかを言っているに過ぎず、それすら正しく言っていない。もちろん、マネジメントとは何か、何をするものかについてはまったく答えていない。
そうではなくて、この問いに対する答えは、マネジメントの機能を分析することによって初めて得られるのだ。なぜならマネジメントは機関だからである。機関は機能によってのみ説明され、明らかにされるとドラッカーは説明する。

 

「マネジメントとは、組織体に特有の機関である。(中略)組織が決定し、行動し、ある態度をとるということは、マネジメントがそれらのことを行うということである。組織だけでは、何ら意味あることを行うことはできない。逆にいえば、組織はすべて法的な構造の違いにかかわらず、生きた存在として機能するためにマネジメントを必要とする。」(『現代の経営』、1954年)

 

マネジメントは一般に、企業のマネジメントのことを意味する。その企業の存在理由とは、財とサービスの提供にある。
もちろん企業はその経済的な責任を果たすうえで、政治的、倫理的理念に沿って活動し、社会の発展に寄与する。しかしこれらは、企業の経済活動の正しき筋道のための二義的な条件であるにすぎないとドラッカーは言う。
企業の本質、すなわち企業の特性を規定する決定的な原理は、あくまでも経済的な成果である、と。

 

「マネジメントは、経済的な成果をあげることによってのみ、その存在と権威が正当化される。企業の活動には、従業員の幸福、コミュニティの福祉、文化への貢献などの非経済的な成果がある。しかし経済的な成果をあげられなければ、マネジメン...

こちらは会員限定記事です。
無料会員登録をしていただくと続きをお読みいただけます。

プロフィール

  • 井上和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1989年早稲田大学卒業後、リクルート入社。2000年に人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。2004年よりリクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)。2010年に経営者JPを設立、代表取締役社長・CEOに就任。 『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ずるいマネジメント』(SBクリエイティブ)『30代最後の転職を成功させる方法』(かんき出版)など著書多数。