2021/10/21
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イマ、ココ、注目社長!
第186回
ARIGATOBANKの「kifutown」は、前澤友作さんのお金配りアプリではない 【前編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 白石 陽介氏 株式会社ARIGATOBANK 代表取締役CEO
ZOZO創業者である前澤友作氏が考えてきた、お金に関する課題。その社会課題を解決するために、2020年11月、株式会社ARIGATOBANKを設立。そして、寄付で応援したい人と何かに挑戦したい人をつなぐ新しい寄付のプラットフォーム「kifutown」Android版が2021年9月にリリースされた。同社の代表取締役CEOを務めるのが、白石陽介氏。東京都 DXフェローやJCBA ステーブルコイン部会長も務める白石氏に、お話を伺った。
(聞き手/井上和幸)
自分が秀でていることはなんだろう
──2005年にIIJ(インターネットイニシアティブ)にエンジニアとして新卒入社されました。どうしてIIJを選ばれたのですか?
白石 IIJに入る前、18歳から19歳ぐらいの頃にWeb制作の会社を、友達と一緒に立ち上げたことがあります。学生だったので、学校に行きながら。
ところが、Webオーサリングツールとして「ホームページビルダー」などがどんどん出てきて、Web制作の価格が暴落したんです。それまで、企業のホームページを簡単に作るだけで2,30万位ぐらい貰えました。いまでは考えられないことです。
──当時はサイト構築の相場、そのくらいが当たり前でしたよね。
白石 そうですね。ところがそこに、さほど技術力がなくてもそれなりのものが作れるツールが出てきて、市場は一気に暴落した。そのとき、「競合が入ってくるようなビジネスは、なかなかしんどいんだなぁ」と思ったんです。
それでもコンピューターが得意だったので、「ITを軸にした仕事をやりたい」と思い、私は関西出身なのですが、NTT西日本の下請けで光ファイバーの工事を請け負っている企業の方と知り合う機会があり、「そういう仕事を探しているんだったら、うちで働きなよ」と言われて、学校に行きながらNTTの下請けで業務委託をうけてとして、光ファイバーの設置工事や大学のネットワークの設計をやりだしました。
最初はあまり分かりませんでしたが、ネットワークやインフラの勉強をやりながら仕事をこなしていました。インフラに関わる仕事は需要もあるし、やりがいもある。ただ、下請けという立場だと、どうしても裁量に限りがある。なので、「インターネットの世界でトップティアにいるような会社で働きたい」と思い、IIJに入ることにしました。
──学生時代にホームページ制作会社を立ち上げていらっしゃったということで、学生時代から起業しようとかビジネスへの興味関心は高かったのですか?
白石 いや、全くなかっ...
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