TOP スペシャルコラムドラッカー再論 現代におけるマネジメントの役割と位置づけ。

2021/10/11

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スペシャルコラムドラッカー再論

第287回

現代におけるマネジメントの役割と位置づけ。

  • マネジメント
  • エグゼクティブ
  • 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO 井上和幸

 

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「マネジメントとは、事業に命を吹き込むダイナミックな存在である。」(『現代の経営』、1954年)

 

ドラッカーには数々の名言、名フレーズがあるが、この『現代の経営』の書き出しの1文もまた、印象に残る名言だろう。
このフレーズの後には、こう続く。

 

「そのリーダーシップなくしては、生産資源は資源にとどまり、生産はされない。彼らの能力と仕事ぶりが、事業の成功さらには事業の存続さえ左右する。マネジメントこそ、企業が持ちうる唯一の意味ある強みである。」(『現代の経営』、1954年)

 

慌ただしく事業推進、経営に追われる読者経営者の皆さんにおかれては、改めてマネジメントの役割について考えてみるのも悪くないのではないかと思う。
ドラッカーは、マネジメントとは、現代社会の信念の具現であると述べている。

 

「それは、資源を組織化することによって人類の生活を向上させることができるとの信念、経済の発展が福祉と正義を実現するための強力な原動力になりうるとの信念の具現である。」(『現代の経営』、1954年)

 

現代文明以前にあっては、資源は自然をコントロールするための機会や道具ではなく、人間活動を制約するもの、あるいは環境への働きかけを制限するものだった。
資源は神からの授かりものであり、経済の変化は社会や個人にとって制御不能の危険極まりないものだった。

 

そこに現れたマネジメントこそ、現代の基本理念を反映する存在であり、不可欠の存在となった。
だからこそ、マネジメントが誕生して以来、ほとんど誰の反対に会うこともなく、それは急速に発展してきたのだとドラッカーは述懐している。

 

ドラッカーは『現代の経営』の執筆時点である1954年に、今後数十年の間、アメリカをはじめとする自由世界にとって、マネジメントの能力、真摯さ、仕事ぶりは重大な役割を果たすことになる。同時に、マネジメントに対する要求は、急速に、かつ確実に増していくと述べていた。
その後、70年近く(!)が経とうとしているいま、このドラッカーの予言はいまなお当たり続けているといって間違いないだろう。

 

「マネジメントは、アメリカ以外の国ではさらに重大な役割を担い、さらに困難な課題に直面する。ヨーロッパが経済的な繁栄を回復するか否かは、結局のところマネジメントの仕事ぶりにかかっている。かつての植民地諸国が、民主主義国家として経済発展に成功するか否か、あるいは共産主義国家となるか否かも、責任感に富む有能なマネジメントを急速に育成することにかかっている。実際、自由世界全体の行方がマネジメントの能力と責任に...

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プロフィール

  • 井上和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1989年早稲田大学卒業後、リクルート入社。2000年に人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。2004年よりリクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)。2010年に経営者JPを設立、代表取締役社長・CEOに就任。 『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ずるいマネジメント』(SBクリエイティブ)『30代最後の転職を成功させる方法』(かんき出版)など著書多数。