2021/08/30
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戦略人事の仕掛人
第16回
人事は戦略。経営戦略と言われるように、経営戦略の一環を担っている。【後編】
- 組織
湖池屋は1953年の創業。古くから『ポテトチップス』や『カラムーチョ』『ポリンキー』といったスナック菓子のメーカーとして広く愛されているのは言うまでもない。しかし、新たな時代への変革を求めて、2016年、佐藤章氏が代表取締役社長に就任。リブランディングに着手するとコーポレートブランドを再編し、「湖池屋」に統一。2017年には、新生・湖池屋 第一弾商品『KOIKEYA PRIDE POTATO』を発売した。戦略人事の仕掛人として、湖池屋の経営管理本部人事部で指揮を取る、八代茂裕氏に、新生・湖池屋の人事戦略などを伺った。
(前編はこちら)
(聞き手/井上 和幸)
越境体験、異文化体験ができる場を提供する仕組みを作りたい
井上 2016年が起点になっているので、ちょうど丸5年過ぎたぐらいです。もちろん、まだプロセスの途中、ということもあると思いますが、5年経って、「こういうところがすごく変わった」というのはどういうところでしょうか?
八代 組織の風通しは圧倒的に良くなりましたね。
私が入社した時、メンバーシップの負の面かなと思ったことがあります。それは、こんなサイズの会社でありながら、ものすごく組織の壁があったことです。「どっちを向いて戦ってるんだよ!」という。「やっぱり、変化の少ない組織の特徴なのかな」と思いました。
その部分は本当になくなりました。風通しが良くなって、どの本部とコミュニケーションするにも心理的な壁がなくなったと思います。全体最適を目指して、それを共通言語にコミュニケーションできるというのは、人事として一番助かる部分です。
井上 新卒だけでなく、中途も採用されているんですね。
八代 もちろんです。中途率上がってきたことも変化のプラスには、なっているでしょうね。2019年で中途率は30%後半だったんですけど、今は50%後半くらい。中途採用は盛んに行われるようになりました。違う経験値を持った人達が入ってきて、経験を共有できる。そこから「何が理想なんだろう」と考えることができます。
井上 新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の影響に対して、どんなことをやってこられているのでしょうか。
八代 通り一遍のことはやっています。例えば、テレワークの対応も。
コロナ禍の影響で言うと、多分、世間で言われているようにアフターコロナは、絶対、ビフォアに戻らないと思うんですね。働き方も然り。「テレワークできるじゃん」となった。会社で必ずしも顔合わせなくても成立する仕事が出てくるのは確かだ...
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