2021/08/26

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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術

第113回

FREE FLAT FUNな生き方へ

  • ビジネススキル
  • キャリア
  • Zホールディングス株式会社 Zアカデミア学長、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 学部長、株式会社ウェイウェイ代表取締役 伊藤 羊一氏

 

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この3つが私たち一人一人が未来に向けて生きていくうえで、必要なスタンス。

FREE, FLAT,FUNは私が大切にしている価値観、行動様式だ。 2018年、私が学長を務める企業内大学Yahoo!アカデミアで、どういう世界を作りたいか考え、言葉にしたのが最初だ。以来、Yahoo!アカデミアのみならず、私自身が大事にしたい価値観として、こういう世界を作りたいのだとあらゆる場所で語り続け、コミュニティーを作り続けている。Zアカデミア(Yahoo!アカデミアから発展)や、私が学部長を務める武蔵野大学アントレプレナーシップ学部も、全て目指す世界はFREE FLAT FUNだ。なんの気なしに考えたフレーズではあったが、今ではこの言葉のイメージが明確になりつつある。そこで、その世界観を紹介しようと思う。

まずFREE。あらゆる「常識」やしがらみから自由であれ、ということだ。過去、物質的な豊かさが求められ、また通信が発達していない時代においては、社会における目指すべき「正解」があり、人々はその「正解」を求めていたし、結果として「常識」の枠組みの中で学び、生活し、働いていた。しかし分かっているように、既に物質的な豊かさは実現され、インターネットなど通信の発達で人の価値観に触れやすくなってきた現在の先進国においては、誰もが同様に考える「正解」がなくなり、むしろこれまで「常識」とされてきたことから外れ、しがらみに縛られないで考え、行動することが求められている。

 

FREEはFLATにつながる。FREE、すなわち常識から解放された個人が増えた社会になることは、「みんな違ってみんないい」ということだ。正邪の判断根拠となる倫理観はその時代のコンセンサスが求められ続けるが、何に価値を求めるか、という価値観については人それぞれ、みんな違う。そのそれぞれがリスペクトされていいのではないか。これが「みんな違ってみんないい」ということなのだ。言い換えれば、これがダイバーシティ & インクルージョンだろう。

 

そしてこのFREEやFLATは、新型コロナウイルスの感染拡大によって、ある部分は分かりやすく進展した。例えば働き方。これまでは働く、といえばオフィスに行くことだった。面談といえば対面で会うことだった。もちろんWeb会議などを活用してのミーティングやテレワークがなかったわけではないが、これだけオンラインによる会議やテレワークが市民権を得るとは誰も思っていなかっただろう。つまり以前の「会社に出勤し、対面で面談する」という「常識」からFREEになった、ということだ。こうした状況に変わって1年以上が経過する中で、多くのビジネスパーソンにとって、(緊急事態宣言が明けた後は)オフィスに出社するかテレワークにするか、対面で会うかオンラインでミーティングをするかは、FLATな、つまりどちらを選んでもよい選択肢になった。FREEがFLATを生んだのだ。

 

働き方もそうだし、学び方(学校)もオンラインと対面でのFLAT化が進んできた。そうなると住む場所だって、全てオンラインであればどこに住んでもよくなるよね、ということで、東京から地方への移住が進み始めている。2020年、東京はまだトータルでは入超(増えている)ではあるが、東京外への移住は昨年より増え、東京への転入は昨年より減っている 。この傾向はこれからも進むだろう。すなわち、地域のFLAT化も進むということだ。新型ウイルスの感染拡大が、私たちの常識を破壊しFREEにならざるをえない状況にしたことで、さまざまなことがFLATになったといえよう。

 

新型コロナウイルスによる影響のみならず、テクノロジーの進化もFLAT化を促進する。テクノロジーの進化により、ビジネス、例えばサービスやプロダクト開発でかかるコストは削減される。そうすると、資金を持っていなくても、人員がいなくても、アイデアがあれば安価で新サービスが開発できることになる。つまり、成功は一部の大企業や名経営者だけのものでなくなり「ビジネスの民主化」が実現する。

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プロフィール

  • 伊藤 羊一氏

    Zホールディングス株式会社 Zアカデミア学長、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 学部長、株式会社ウェイウェイ代表取締役

    日本興業銀行、プラスを経て2015年4月よりヤフー。現在Zアカデミア学長として次世代リーダー開発を行うほか社外でもリーダー開発を行う。2021年4月武蔵野大学アントレプレナーシップ学部を開設、学部長就任。代表著作「1分で話せ」。