2021/08/25
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イマ、ココ、注目社長!
第167回
自分の人生にイニシアチブを取れば、世の中はよくなっていく。
- 経営者インタビュー
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- 株式会社Schoo 代表取締役社長 CEO 兼CCO 森 健志郎氏
2011年創業。インターネットによる学び動画コンテンツの配信事業では、草分け的な存在となった株式会社Schoo(スクー)。2B、2C双方でビジネスの拡充をはかり、2020年は2019年以前と比較してアクティブユーザー数3倍、法人研修導入新規受注6倍と、このコロナ禍でも勢いが止まりません。
けれど、創業者の森健志郎CEOが目指すのは、事業のスケールではなく、あくまで「世の中をよりよくするための事業であるかどうか?」。森氏が目指す「よりよい世の中」の姿とは? 常に意識しているという「持たざるものの人生哲学」というユニークな経営観についても伺いました。
(聞き手/井上和幸)
勉強嫌い、学びが苦手な人は“あんな動画”じゃ学べない
――リクルートコミュニケーションズ在籍当時に受けたeラーニングがつまらなく、「自分ならもっといいものが作れる」と思ったのが起業のきっかけだと伺いました。なぜそこに興味をひかれたのでしょう?
森 このきっかけが訪れたのは2011年3月。当時、魂を込めて2年間やってきたプロジェクトが東日本大震災の影響ですべて中止になっていました。
僕は小さな頃から、「自分の人生に自分でイニシアチブを持って大きな価値を出したい」と考えていた人間で、それが実現できそうな会社ということでリクルートコミュニケーションズを選んで入社した経緯があるのですが、“クライアント都合”とか“震災による液状化”とかの前ではどうしようもない。
ですから、割とこのときに(サラリーマンに)限界を感じたというのはありますね。アントレプレナーの世界なら、何が起ころうとすべて自分で背負い、すべて自分の裁量で進められます。自分以外の要因で事業が止まってしまうことはありませんから。
――SUUMO(住宅情報関連)の部署にいらっしゃったんですよね。
森 はい。仕事は思っていたとおり、おもしろかったですよ。上司も含め、若いうちからいろいろ経験させてもらいました。
――その経験を活かして(不動産や住宅の分野で)起業しようとは思わなかった? リクルートコミュニケーションズなら、RING(リング)など事業提案の機会もありますが、その方向性でもなかったんですね。
森 なかったですね。自分でイニシアチブを取りたかったので、仕事が止まってしまう理由が「リクルートコミュニケーションズで仕事をしているから」というのは、もうあり得ませんでした。ただ、震災がなかったら辞めていなかったかもしれません。そのeラーニングコンテンツは、仕事が止まってしまい、たまたま暇だったから受講したわ...
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