2021/08/02
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プロ経営者の条件
第12回
プロ経営者から、人生の後半戦を前に起業家への道を決意。日本経済のアキレス腱である中小企業の事業承継にフォーカスし、日本の文化である食に特化する。Vol.3
- 経営者インタビュー
- プロ経営者の条件
- 経営
- キャリア
- 加藤 智治氏 まん福ホールディングス株式会社 代表取締役社長
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自身の実力を武器に、ビジネス界でさまざまな企業の経営に携わるプロ経営者。彼らは経営のプロフェッショナルとして、何を考え、何を経験し、どのような思考法や価値観を持って経営に臨んでいるのだろうか。プロ経営者のプロたるゆえんを、実際に活躍中のプロ経営者の話から解き明かしていく「プロ経営者の条件」。
前回、前々回に引き続き、今回の「プロ経営者の条件」は、まん福ホールディングス株式会社 代表取締役社長の加藤智治氏をゲストにお迎えした。加藤さんは学生時代に東大アメフト部で活躍し、社会人になっても9年間アメフトの現役選手を続け、それと並行して、ドイツ銀行、マッキンゼー&カンパニーでビジネスの基礎を学んだ。20代後半からはフィールズ、スシロー、ゼビオで経営の中枢に関与。特にスシローでは「おいしさ」をキーワードに同社の経営改革を断行した。現在は起業し、食の事業承継をサポートしている。食とスポーツを心から愛する経営者である。今回が最終回となる。
ゼビオで初めて社長にチャレンジ。大いに悩み鍛えられた
井上 スシローを成功に導いた後、ゼビオに移られましたが、その経緯をお聞かせください。
加藤 スシローで約7年間お世話になり、最後はCOOというポジションの仕事をさせてもらいました。次もどこかの企業で経営の仕事をしたいと思っていたところ、これもまたヘッドハンティングなどではなくアメリカンフットボール関係の人脈で、ゼビオグループのオーナーの諸橋友良さんにお会いすることができました。そしてゼビオに入ることになりました。
井上 諸橋さんはどんなお考えで、加藤さんを招いたのですか。
加藤 ゼビオグループ全体をさらに飛躍させようという構想の中で、それまで事業会社ゼビオの下にさまざまな協力会社を連結するという事業持株会社の形態だったものを、グループの発展とそれぞれの会社の自立的発展を促すために、純粋持株会社のホールディングス形態に移行されるということをご自身で考えられていました。
ご自身はオーナーとしてホールディングスの経営に注力し、各事業会社にはそれぞれ社長を任命して、求心力と遠心力をうまくバランスを取りながら運営をしていきたいと考えていて、事業会社ゼビオは純粋持株会社の下にぶら下がる形にして、コア事業を担う存在として社長を外部から招こうとしたようです。
井上 それを聞いたときに、加藤さんとしてはどんなお気持ちでしたか。
加藤 20代後半から、小売...
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