2021/07/26
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プロ経営者の条件
第11回
スシローのナンバー2として経営改革を主導。「うまさ」につながる3つの改革を断行し、「うまいすしを、腹一杯。」のキャッチフレーズで日本一の回転ずしチェーンに。Vol.2
- 経営者インタビュー
- プロ経営者の条件
- 経営
- キャリア
- 加藤 智治氏 まん福ホールディングス株式会社 代表取締役社長
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自身の実力を武器に、ビジネス界でさまざまな企業の経営に携わるプロ経営者。彼らは経営のプロフェッショナルとして、何を考え、何を経験し、どのような思考法や価値観を持って経営に臨んでいるのだろうか。プロ経営者のプロたるゆえんを、実際に活躍中のプロ経営者の話から解き明かしていく「プロ経営者の条件」。
前回に引き続き、今回の「プロ経営者の条件」は、まん福ホールディングス株式会社 代表取締役社長の加藤智治氏をゲストにお迎えした。加藤さんは学生時代に東大アメフト部で活躍し、社会人になっても9年間アメフトの現役選手を続け、それと並行して、ドイツ銀行、マッキンゼー&カンパニーでビジネスの基礎を学んだ。20代後半からはフィールズ、スシロー、ゼビオで経営の中枢に関与。特にスシローでは「おいしさ」をキーワードに同社の経営改革を断行した。現在は自ら起業し、食の事業承継をサポートしている。食とスポーツを心から愛する経営者である。
Vol.1はこちら
(聞き手:井上和幸)
スシローのターンアラウンドにチャレンジする
井上 今度はフィールズからスシローに移られるわけですが、その思い、経緯はどんなものだったのでしょうか。
加藤 今度は本当の意味での経営をしてみたいと考えていたときに、マッキンゼーのある先輩に相談をする機会がありました。プロ経営者の草分け的な方ですが、その方から「PEファンドの投資先にチャレンジしてみたらどうか」と勧められました。当時は日本のPEファンドの黎明期だったと思います。PEファンドが企業を買収して、経営改革をするにあたって、必要に応じて経営人材をキャスティングすることが起き始めていました。
そこでマッキンゼーの先輩が何人もいたユニゾン・キャピタルに行ってみると、「ちょうど君に合っていそうなBtoCの飲食の会社があるんだ。経営改革をするターンアラウンドマネジャーを1名キャスティングする必要があるんだけど、どう?」と誘われました。当時私は33歳でしたが、「ちょっと若いかもしれないけれど、体育会系の会社だから合うんじゃないかな」とも言ってもらいました。それで「ぜひお願いします」と。それがスシローでした。
井上 ありがたい話とはいえ、決断するには勇気が要ったのではないでしょうか。
加藤 とにかく「これはチャンスだ」という思いで飛び込みました。当時は結婚して子供もできたところでしたが、スシローに入ると東京から大阪に引っ越さなければならない。妻の両親には、結婚した直後に会社は変わるわ、大阪に引っ越すわで相当な迷...
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