2021/07/12
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CxOの羅針盤
第6回
会社にとって何が必要か? 誰が覚悟を持って何を担うかで役職名は決まる
- リーダーシップ
- マネジメント
- キャリア
- 組織
- 小路 龍太郎氏 タイムリープ株式会社 COO
遠隔接客システム「RURA」の開発・提供を行っているタイムリープ。「最も大切なことに時間を使える世の中を実現する」というビジョンを掲げ、想像以上の価値の提供を目指して、日々進化している。
タイムリープは、代表取締役の望月亮輔氏と、取締役の小路龍太郎氏が2019年に設立したベンチャー企業。経営や組織のあり方を、N02のポジションとして手腕を発揮する小路氏に伺った。
液晶パネルにかかわりたくてニコンへ
井上 小路さんは、横浜市立大学を卒業後、カメラメーカーのニコンに就職されたのですね。その選択理由はなんだったのでしょう?
小路 私が就職活動を始めた2010年は、iPhoneが出始めたころです。「これは絶対に売れる」と思いました。この商品を社会に浸透させることができたなら、私のキャリアにもプラスになるだろうと考えました。また、就職活動でメーカーの採用担当の方からの、「メーカーは農耕民族のようなもの。種まきをして手塩にかけて育てることがミッション」という話が自分に刺さったこともあり、「メーカーで仕事がしたい」と考えるようになったんです。
Appleに入社するイメージはなかったので、iPhoneに関係する装置メーカーを調べてみたところ、ニコンが液晶パネルを作る装置を手掛けていると知りました。そこから、ニコンに「この部署で働きたい」と一点突破でアプローチして入社した、というのが経緯です。
井上 その選択のされ方は面白いですし、とても珍しいですよね。iPhoneのパーツを作りたくてニコンに入社する人は、まず、いませんよね?
小路 はい。「変態が来た」と言われました(笑)。面接では他の学生はカメラを熱く語るのに、私は露光装置のラインナップを並べるので、人事担当に驚かれました。でも、それで受かったようなものです。
井上 技術がお好きということなのでしょうか?
小路 国際経済学を専攻していましたが、理系思考です。
ブリヂストンが電子ペーパーを開発しているとか、デンソーがQRコードを研究しているとか、そんなニッチな技術に興味がありました。日本には知る人ぞ知る高い技術があります。なので、技術にかかわる仕事をしたいという思いがありました。
井上 志望された部署に配属されていかがでしたか?
小路 いろいろ教えてもらえるのですが、書類処理が中心でした。上司に「製造管理課に行かせてほしい。なんなら半年でも1年でもいい」という話をしたら、それを遠くで聞いていた常務が、「行っていいよ」と言ってくれました。そんなことは異例だったらしいのですが、籍は置...
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