2021/07/19
1/1ページ
私が経営者になった日
第69回
【ダイヤ精機 諏訪社長】「中小企業の活性化」を 大義に、常に一歩上を 目指していきたい。(Vol.3)
- 経営
- キャリア
- 経営者インタビュー
- 諏訪 貴子氏 ダイヤ精機株式会社 代表取締役
社長に任命された日=経営者になった日ではありません。経営者がご自身で「経営者」になったと感じたのは、どんな決断、あるいは経験をした時なのか。何に動かされ、自分が経営者であるという自覚や自信を持ったのでしょうか。
国内でも数少ない自動車部品用ゲージの超精密加工技術を持つ企業を、創業者である父の急逝で承継。専業主婦からの転身で「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2013」大賞(リーダー部門)、東京商工会議所「勇気ある経営大賞」、東京都中小企業ものづくり人材育成大賞知事賞「奨励賞」など、経営者として数々の賞を受賞したダイヤ精機株式会社 代表取締役社長 諏訪貴子氏に3回にわたってお話をうかがいました。
【vol.1】悩んで自分で決めた ワンウェイの選択だから、 後戻りはできない。
【vol.2】社長の仕事は 常に未来を考える 『何でも屋』だ。
【vol.3】「中小企業の活性化」を 大義に、常に一歩上を 目指していきたい。
言葉の意味をしっかり理解させる。
諏訪さんは、教育について「言葉の意味をしっかり理解すると、行動に差が出る」という。
「私、理系じゃないですか。国語が本当に苦手で、漢字をなかなか覚えられなくても、この漢字にはこういう意味があるんだっていうと覚えられたんです。つまり、言葉というのは、それ自体の成り立ちに意味を持っているものなんですよね。
それにエンジニアになっても、表現されていることは全て漢字で表されているんです、具体に。だから、言葉の意味をしっかり理解すると、その行動に移せるということにつながるわけです。」
国語が苦手というよりも、曖昧なことが苦手ということなのだろう。
「1足す1は2。だからミステリー小説とか好きなんですけど、結論が出ないもの、結局、犯人は誰なの?みたいなのは、もやもやしてしようがなくて。すっきりしないと嫌なんです。曖昧なことが嫌いなので、私は指示を出すときにも明確に出します。例えば、これと、これと、これを、いつまでにやってくださいって。できるならやっておいてという言い方は絶対にしません。
ただ、業務ではなく、思いつきのものはあるじゃないですか。こんなのやってみたーいっていうのは、あえて大ざっぱにしか言いません。そこをぎっちり固めてしまうと、皆さんの個性の発揮ができない。だから業務に関してはきっちり指示しますが、これからチャレンジするものに対しては大ざっぱに伝えて、ある程度権限委譲してしまいます。
そうすると、そこからは、社員さんたちは社員さんたちの考え方で、結果をきちんと持ってきてくれるので。下手にルートをつくらないほうがいい場合もあると考えています。」
結果を出す。なぜかは説明しない。
諏訪さんが業務では明確な指示を出すが、チャレンジはそうしないのには、もうひとつ考えがある。
「経営者というのは、先のことを考えて、新しい取り組みとかをするじゃないですか。そのときに、何でそれをするのかとか、どのぐらい予算をかけてするのか...
こちらは会員限定記事です。
無料会員登録をしていただくと続きをお読みいただけます。