2021/06/29
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CxOの羅針盤
第5回
自分で手を動かしドライブしつつ、チームの自主性に任せた動き方
- リーダーシップ
- マネジメント
- キャリア
- 組織
- 羽田 大樹氏 b8ta Japan COO
シリコンバレー発、最新ガジェットから家電、D2Cコスメなど革新的な商品やサービスが体験できるお店、b8taが日本に上陸。新しい商品、見たことのない商品と出合えて体験できると若い層を中心に人気を呼んでいる。
羽田大樹氏はb8taでCOOを務める人物。東京工業大学院を卒業後、サントリーに入社。その後、米ノースカロライナ大学チャペルヒル校にてMBAを取得。バイエル薬品、マッキンゼーと渡り歩いてb8taにCOOとして参画した異色の経歴の持ち主。そんな羽田氏に話をうかがった。
経営者になるためにはどの道を辿るのがベストか
井上 2009年に東京工業大学大学院を卒業され、サントリーに入社されていますね。
羽田 大学院ではバイオの研究に携わっていました。卒業時、博士課程に進むか、就職かで迷ったのですが、世の中にインパクトを与えることをしたいと思い、研究開発職としてサントリーに入社し、ビールの商品開発に関わることになりました。
井上 ビールの商品開発がやりたかった?
羽田 バイオをやっていてかつ、自分の好きなものでビールがいいだろうと考えたんです。どうせやるなら「ザ・プレミアム・モルツ」を超えるおいしいビールを作りたいと。運よく第一志望の部署に配属され、4年間くらい開発を担当していました。仕事でビールを飲めるのはラッキーだと思いました(笑)。
井上 それはいい仕事ですね(笑)。
羽田 しかし、味に責任をもつ部署のため、朝から晩まで飲み続けることもあり、飲酒量が増え、身体に負担がありましたね。
井上 僕もアルコール飲料系企業の方々とのお付き合いも多くありますが、皆さんから「(我々の仕事は)胃に穴を開けてナンボだ」と聞きます(笑)。
羽田 はい。当時は尿酸値が問われる雰囲気でした(笑)。
井上 米ノースカロライナ大学チャペルヒル校にMBA留学されたのは会社の制度ですか?
羽田 MBA留学には、生産開発部門とマーケティング部門で意見の対立を起こすことがあったことが背景としてあります。ならば、開発や工場を知っている者がマーケティングや事業側に行って、全体のプロセスを指揮するのがいいんじゃないかと考えたんです。
運良くフルブライト奨学金の選考に通ったのですが、当時、サントリーには社費での留学制度はなかったので、留学するからには退社するしかないと思いました。ところが、上司に相談すると「ぜひ、行ってほしい」ということになり、社費で2年間留学することになりました。
井上 業務の専門性を高めるためにMB...
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