TOP 私が経営者になった日 【カクイチ 田中社長】失敗しても挑戦する ビジョナリーカンパニー カクイチのDNAを残したい。(Vol.3)

2021/05/31

1/1ページ

第66回

【カクイチ 田中社長】失敗しても挑戦する ビジョナリーカンパニー カクイチのDNAを残したい。(Vol.3)

  • 経営
  • キャリア
  • 経営者インタビュー
  • 株式会社カクイチ 代表取締役社長 田中 離有氏

 

30日無料!全記事読めるプラチナメンバー登録はこちら >

 

 

社長に任命された日=経営者になった日ではありません。経営者がご自身で「経営者」になったと感じたのは、どんな決断、あるいは経験をした時なのか。何に動かされ、自分が経営者であるという自覚や自信を持ったのでしょうか。

 

国内有数のホースメーカーであり、倉庫・ガレージの製造販売、太陽光発電、ミネラルウォーター事業、さらにはAIを活用した農業分野への参入など幅広い事業を展開する株式会社カクイチ 代表取締役社長 田中離有氏に3回にわたってお話をうかがってみました。

 

(第2回はこちら

逆風で何をするかで活路が見える。

新規事業の業績が振るわなかった責任を取って、本体から外され、グループ内の芸術家支援事業と潰れかけたミネラルウォーター事業の子会社での40代を過ごすことになった田中氏。しかし、この苦労の10年間、特にミネラルウォーター事業の滋賀工場での経験は代え難い勉強になった。

 

「制度、労務、開発、品質管理、クレーム処理、最後は決算書を作る。これらを、全部やるわけです。売り上げ1、2億ぐらいの会社でも、200億の会社とやることは一緒。ですから、全てわかるようになりました。

理ではないんです、実学の中で、父親がそろばん使ってリヤカー引いてやってきた世界です。赤字会社で設備投資に2億5千万かかっているから、減価償却がすごい額になっていて、キャッシュフローを回していかなければならない。それにはまず会員を増やさなければいけないので、売り上げというより、とにかくお客さんの満足を高めて、会員をひとりずつ増やしていく。そうは言っても水はなかなか売れないので、新たな社外の人脈をつくりにいく。水を何リットルか売るがために、ありとあらゆることをやらなくてはいけなかったんです。

 

そうしたあらゆる努力にも関わらず、5年間位は逆風の時代だから、いくら走ったって1歩も進まないです。ただ、努力しているといいことがあるんですね。

 

『通販生活』さんの『ピカイチ事典』。その水のピカイチに選ばれたんです。だから、業績は悪いけど、一生懸命やると何か賞がもらえるんだなというふうに気づいたので、無駄なことはないと思いました。いままで社員もみんな、よくわからない水を売りなさいと言われて、とにかく一生懸命売ってくれてはいたけれど、それが『賞を取りました』。というだけで、わー! と喜んで、みんなの気持ちも上がってくる。そういう様子を目の当たりにすると、利益とか売り上げ以上に大切なものがあると思ったのです。」

 

しかし利益はなかなか上がらない。離れてはいたが、本体の業績も悪くなっていて、会長となっていた父の焦りの中から、事業の迷走が起こっていて...

こちらは会員限定記事です。
無料会員登録をしていただくと続きをお読みいただけます。

プロフィール

  • 田中 離有氏

    株式会社カクイチ 代表取締役社長

    1962年、長野県生まれ。慶応義塾大学商学部卒。1990年、米国ジョージタウン大学でMBA取得。株式会社カクイチに入社。2001年、同社代表取締役副社長、2014年、同社5代目として代表取締役社長に就任。カクイチ建材工業(株)・(株)カクイチ製作所・(株)岩深水・(株)シリカライム・アンシェントホテル浅間軽井沢・(株)アクアソリューション・SDGsファイナンス(株)の代表取締役も務める。 カクイチは、1886年(明治19年)創業の老舗企業。ハウスガレージ・樹脂ホース・鉄鋼資材卸業・太陽光発電事業・ミネラルウォーター事業・ホテル事業・内装材事業・農業改善事業の8事業で、11のグループ会社を運営する。現在新たに「社会コストを下げるという志」の元MaaS事業にチャレンジしている。