2021/12/14
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異能の経営者 ~ I know. ~
第44回
【Gigi代表 今井 了介氏】 「売れない」と言われた本格R&Bでヒットを飛ばし、市場を創造。(vol.1)
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- 経営者インタビュー
- 今井 了介氏 Gigi株式会社 代表取締役
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安室奈美恵の『Hero』(2016年のリオデジャネイロオリンピックNHK公式テーマソング)、Little Glee Monsterの『ECHO』(2019年のラグビーワールドカップNHK公式テーマソング)など、誰もが一度は耳にしたことがあるであろう音楽をプロデュースしてきた、今井了介氏。
今井氏の絶対音感が育まれたという幼少時代から、ITベンチャー・Gigiを立ち上げて、アプリビジネスに参入するところまでの道のりを振り返る。
初回は、もともと音楽業界で働くつもりがなかった今井氏が、偶然にも楽器と機材を手に入れたことで音楽業界に足を踏み入れ、本格的なR&Bという日本の音楽シーンには存在しなかったマーケットを開拓するに至るまでを聞いた。
「Hero」(安室奈美恵)、「ECHO」(Little Glee Monster)
(聞き手/川内イオ)
「ひどく退屈」なクラシックコンサートで磨かれた絶対音感
―今井さんの音楽の原点について、教えてください。
うちは両親ともにクラシック畑で、父はホルンの奏者、母はピアノ奏者でした。そのため、クラシック音楽が身近な生活で、いわゆる日本のポップスを、家で見ることも聞くことも全くないまま過ごしていましたね。
―音楽家の両親を持ち、クラシック音楽が日常にある日々が、音楽的なセンスや能力を磨き、育むことにつながったと思いますか?
子どもの頃、母から聞いて「へー」と思ったことがあるんですよ。『ねんねんころりよ~』という子守歌がありますよね。普通に歌うと物悲しい曲(マイナーコード)で、これを歌うとあなたは泣くと。それをちょっと明るい調子(メジャーコード)で歌いなおすと笑うと言っていたんです。そういう「音」への感覚は、音楽を勉強として学んで得られるものとは違う気がします。
―幼少の頃から、音への感覚が鋭かった?
いま、思い返してみればということはありますね。例えば幼稚園の遠足の日に、バスの中で「ドはドーナツのド」ってみんなで合唱したりするじゃないですか。でも、誰もちゃんと「ド」の音で歌い始めないです。いつも「ド」からずれていて、「みんな気持ち悪くないのかな、でも誰も気にしてないから僕がおかしいのかな」と思っていました。そういう感覚は小学校でも中学校でもずっと続いていて、大人になってちゃんと音楽を始めてからそれが「絶対音感」というものだと知りました。
―著書の『さらなら、ヒット曲』では、お父さんが出演するクラシックコンサートに通うことで絶対音感が育まれたとありました。
そうですね。父が吹いて...
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