2021/05/12
1/1ページ
イマ、ココ、注目社長!
第140回
中国のニューリテールの急速な進化のなかで勝ち抜き、世界中で文化と文化を繋ぐプラットフォームをめざす!【前編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- Yo-ren Founder CEO 金田 修氏
New Yoren Limited (=以下Yo-ren:游仁堂)は、中国を拠点に大手日系企業に対してニューリテール向けのプラットフォームやスマホ上の会員向けデジタルサービスなどを提供する会社です(設立:香港持ち株会社2011年、中国子会社2012年)。
現在、同社は約2,000万人分の「日本ブランドファン」の会員データを管理しており、今後はこれを1億人まで増やして中国マーケットで勝つと同時に、その知見を活かしてアジアをはじめとする世界展開も計画しているといいます。
創業者は財務省とマッキンゼー出身の金田修CEO。前職時代に中国の圧倒的なサイズと人の能力の高さに触れたことで、「中国というマーケットに関わらずに自分の人生を終えることはできないと思うようになった」と語る金田社長に話をうかがいました。
(聞き手/井上和幸)
「中国市場に関わらずに自分の人生を終わることはできない」
――金田さんは東京大学経済学部を出られて大蔵省(当時)に入られたわけですが、1997年というと官僚が逮捕・起訴され、100人以上が処罰された、いわゆる大蔵省接待汚職事件の前の年ですね。こんな話からで申し訳ありませんが、入省されたばかりのときにこういうことになって大変でしたね。
金田 そうなんですよ。私の期は、実は半分の人間が大蔵省を辞めているのですが、その問題とその対応策の不手際も関係があると思います。結果19人しかいなかった同期から大学教授、起業家、国会議員が複数名誕生しています。
――2001年にマッキンゼーに転職されていますが、同期の半分の方々が早々に辞めてしまうとは、省内では衝撃だったのでは?
金田 そうですね。当時は、大蔵省がご迷惑をおかけして週刊誌などにも叩かれていました。そういう意味では、私たちは私たちなりに十字架を背負ってやってきたと言えるかもしれません。民間企業に移るとものすごく給与条件も変わりますし、いろいろな面が全然違うので、役所時代の同期や諸先輩と同じように、「自分たちが世の中に貢献できているかどうか?」ということは、同期のみんなが大事にしている観点だと思います。
――マッキンゼーでは33歳でグローバルのパートナーに就任されていますし、コンサルタントとして、アジア各国の大手アパレルのほか、小売業、金融業など数多くの企業の成長戦略や経営人材育成プログラムの設計、海外提携・買収戦略でご活躍されたとうかがっています。その後に起業されたわけですが、ご自分で起業することは以前から頭の中にある程度あったのでしょうか。
&nb...
こちらは会員限定記事です。
無料会員登録をしていただくと続きをお読みいただけます。