TOP スペシャルコラムドラッカー再論 ドラッカーが指南する、イノベーションの3つの評価ポイント。

2021/05/10

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第267回

ドラッカーが指南する、イノベーションの3つの評価ポイント。

  • マネジメント
  • エグゼクティブ
  • イノベーション
  • 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO 井上和幸

 

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「既存の企業が企業家精神を発揮するには、企業自らの業績評価にイノベーションの成果についての評価を組みこまなければならない。企業家的な成果を評価して初めて企業家的な行動派もたらされる。人も組織も期待に沿って行動する。」(『イノベーションと企業家精神』、1985年)

 

ところが自らの業績の評価にイノベーションの成果を入れている企業は驚くほど少ないとドラッカーは指摘する。
イノベーションの成果の測定、評価を企業自らの業績評価に組み込むこと自体は特に難しいことではないとして、ドラッカーは3つのポイントを挙げている。

 

「第一に、一つひとつのプロジェクトについて成果を期待にフィードバックすることである。こうすることによって自らの計画能力と実行能力の質と信頼性を知ることができる。」(『イノベーションと企業家精神』)

 

例えば開発部門のマネジメントならば、プロジェクトに着手するときに、いかなる成果を期待するか、いつまでに期待するか、いつ進捗状況を評価すべきかを考える必要がある。そして必ず、成果と期待を照らし合わせなければならない。そうすることによって、自分たちの得意や苦手を知るのだ。
成果を期待にフィードバックすることは、再検討が必要になることを示す兆候はなにか、問題が起こりそうであっても実際にはうまくいくことを示す兆候はなにか、更には予想よりも時間がかかることを示す兆候はなにかを知るうえで必要である。

 

「第二に、イノベーションに関わる活動全体を定期的に点検していくことである。」(『イノベーションと企業家精神』)

 

企業家精神を発揮するには、数年ごとに自らのイノベーションをまとめて評価していかなければならない。
どのイノベーションに力を入れ推進するか、どのイノベーションが新しい機会をもたらすか、逆にどのイノベーションが期待どおりに進んでいないか、それらのイノベーションをどうするか、諦めるか、期限付きで更に努力するのかを、考えなければならないのだ。

 

「第三に、イノベーションの成果全体を、イノベーションに関わる目標、市場における地位、企業全体の業績との関連において評価することである。」(『イノベーションと企業家精神』)

 

例えば5年毎に主な部門すべてに対して、この5年の間、我が社を変えるようないかなる貢献を行ったか。これからの5年間、どのような貢献を行うつもりか、を問わなければならない。
ただし、そもそもイノベーションの成果は定量化できるのか、いかにすればできるのかという問題は残る。実際のところ、イノベーションの成果が簡単には測定できない場合、あるいは厳密には測...

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プロフィール

  • 井上和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1989年早稲田大学卒業後、リクルート入社。2000年に人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。2004年よりリクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)。2010年に経営者JPを設立、代表取締役社長・CEOに就任。 『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ずるいマネジメント』(SBクリエイティブ)『30代最後の転職を成功させる方法』(かんき出版)など著書多数。