TOP スペシャルコラムドラッカー再論 イノベーションを魅力的なものと全社周知するために、実行すべき「廃棄」と「ライフサイクル」の把握。

2021/04/19

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第264回

イノベーションを魅力的なものと全社周知するために、実行すべき「廃棄」と「ライフサイクル」の把握。

  • イノベーション
  • エグゼクティブ
  • マネジメント
  • 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO 井上和幸

 

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イノベーションをなんとか問題なく成功させたい。これが世の経営者の共通した願いであり関心事だ。トップマネジメントは、いかにしてイノベーションに対する障害を克服するかに関心を持つ。

 

「しかし、たとえこの問題に答えがあったとしても、そもそも問題が間違っている。正しい問題は、いかにしてイノベーションを当たり前のこととし、それを望み、その実現のために働くようになるかである。」(『イノベーションと企業家精神』、1985年)

 

イノベーションを異質なものとして推進していたのでは、何も起こらない。イノベーションを、日常業務とまではいかなくとも日常的な仕事のひとつとする必要があるとドラッカーは指摘する。
そのための具体的な方策をドラッカーは紹介している。

 

「何よりも組織の一人ひとりにとって、イノベーションを既存の事業よりも魅力的かつ有益なものとする必要がある。イノベーションこそ、組織を維持し発展させるための最高の手段であり、一人ひとりの成功にとって最も確実な基盤であることを周知させる必要がある。」(『イノベーションと企業家精神』)

 

まず、全従業員がイノベーションを既存の事業よりも魅力的かつ有益なものだと思うようにする。個人的には逆にそこまでやってしまってよいのだろうかと感じもするが、それくらいのコミットメントや承認がなければイノベーションを成し遂げることなどできはしないともまた思う。
そのうえで、イノベーションの必要度を明らかにし、具体的な目標の元に計画を立てる必要がある。

 

「イノベーションを魅力的なものにするための第一の段階は、すでに活力を失ったもの、陳腐化したもの、生産的でなくなったものの廃棄を制度化することである。」(『イノベーションと企業家精神』)

 

もし、いま、それをまったく行っていなかったとして、新たにそれを始めるか。この問いにYESでないものについては廃棄せよ、とドラッカーは言う。
製品、工場、市場、流通チャネル、スタッフの活動…あらゆる自社のものごとについて、「いま、新たに始めるとして、それは必要で投資するか」を問う。これを3年毎に繰り返し、そのたびに発見したNOについて破棄せよと。

 

これは自社を健康体に保つための代謝マネジメントであり、また、この廃棄によって浮いた資産をイノベーションに振り向けることができるということもドラッカーは指南している。
ドラッカー流の、限られた経営資源の最大有効活用術といったところだろうか。

 

「既存の企業が新しい事業に貪欲になるための第二の段階は、製品、サービス、市場、流通チャネル、工程、技...

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プロフィール

  • 井上和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1989年早稲田大学卒業後、リクルート入社。2000年に人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。2004年よりリクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)。2010年に経営者JPを設立、代表取締役社長・CEOに就任。 『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ずるいマネジメント』(SBクリエイティブ)『30代最後の転職を成功させる方法』(かんき出版)など著書多数。

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