TOP 私が経営者になった日 【岡本硝子 岡本社長】経営者≠実働のプロ 門外漢だからこそ持てる外からの視点。(Vol.1)

2021/04/12

1/1ページ

第61回

【岡本硝子 岡本社長】経営者≠実働のプロ 門外漢だからこそ持てる外からの視点。(Vol.1)

  • 経営
  • キャリア
  • 経営者インタビュー
  • 岡本硝子株式会社 代表取締役会長兼社長  岡本 毅氏

 

30日無料!全記事読めるプラチナメンバー登録はこちら >

 

 

社長に任命された日=経営者になった日ではありません。経営者がご自身で「経営者」になったと感じたのは、どんな決断、あるいは経験をした時なのか。何に動かされ、自分が経営者であるという自覚や自信を持ったのでしょうか。

 

特殊ガラス製造の分野を追求し、プロジェクター用マルチレンズ、同反射鏡、歯科用デンタルミラーの3つの世界シェアNo.1製品を持つ“オンリーワン企業” 岡本硝子株式会社 代表取締役会長兼社長 岡本毅氏に3回にわたってお話をうかがってみました。

 

天下国家のために働きたい。

社長就任前、警察庁でキャリア官僚として16年を過ごした岡本氏。同族経営の会社で将来の後継候補が、事業承継を見据えて、他社で何年かのビジネス経験を積むという話は少なくない。しかし、岡本氏のように官公庁、しかも警察庁で過ごすというのは異色のキャリアと言っていいだろう。

 

「男は私ひとり。先代である父親ははっきりとは言いませんでしたが、私自身、子どものころからいずれこの会社を継ぐだろうと思っていました。将来、家業であったガラス製造業、ガラス屋を継がなくてはならないということならば、それまでは全く正反対の仕事をやってみたいと思ったのです。それはビジネスや金儲けとは全く無縁な、大手を振って『天下国家のために働く』といえる仕事です。

官公庁といっても、当時で言えば、大蔵省、通産省といった省庁は、やはり、プレッシャーグループとしての私企業と関わらざるを得ないというようなこともあり、ビジネスとは全く無縁とは言えない。ビジネスや金儲けと無縁と言えるのは、警察庁くらいではないかと思いました」

 

商社や銀行を勧めていたのに「役所に行きたい」、しかも役所の中でもビジネスとは全く無縁の警察庁に就職したいと聞いた父から岡本氏は「それでは勘当する」と言われてしまう。「勘当されては困るので、じゃあ、10年だけ好きなことをやらしてくれと。結果的には16年経ってしまいましたが。10年だけということで、折り合いをつけました」

 

警察も企業もマネジメントは同じ。

 

キャリア官僚として約束の10年を越す16年目。先代の父の急逝で会社に戻った当時は、周囲に「よく思い切った」、「180度どころか360度の方向転換だな」というようなことを言われた。しかし、岡本氏は少なくともマネジメントという点では「前職も今の職場も同じ」と感じたという。

 

「警察官僚は、都道府県に出ていても、自分で取り調べするわけでもないし、尾行とか張り込みをするわけでありません。やるべきことは、ふたつ。ひとつ目は、スタッフや刑事さんたちに気持ちよく働いてもらえるように環境を整えること。ふたつ目は、課長なら課長、部長なら部長にしかできないことをすること。こ...

こちらは会員限定記事です。
無料会員登録をしていただくと続きをお読みいただけます。

プロフィール

  • 岡本 毅氏

    岡本硝子株式会社 代表取締役会長兼社長 

    1955年東京都生まれ。80年東京大学法学部卒業後、警察庁に入庁。 北海道警捜査二課長、外務省香港領事、警察庁外事二課理事官、同国際一課理事官等を歴任。 この間、独フライブルク大学で行政法の客員教授。95年に先代の父・岡本勲が急逝したことから、埼玉県警刑事部長を最後に退官。 同年、3代目として岡本硝子の社長に就任した。2003年ジャスダック上場。