TOP スペシャルコラムドラッカー再論 企業家精神の手引き。

2021/04/05

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第262回

企業家精神の手引き。

  • イノベーション
  • エグゼクティブ
  • マネジメント
  • 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO 井上和幸

 

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ドラッカーは、既存企業であれベンチャーであれ、企業家精神は必須のものである説く。これからそれについて見ていこう。

 

「既存の企業であれベンチャーであれ、企業家精神には共通の原理がある。基本はまったく同じである。機能する方法も機能しない方法も同じである。イノベーションの種類と機会も同じであるいずれも体系的なマネジメントを必要とする。」(『イノベーションと企業家精神』、1985年)

 

既存の企業、公的機関、ベンチャーのそれぞれについて、企業家としてのマネジメントを実践するための具体的な手引きが必要なのだ。何をなすべきか、何に気をつけるべきか、何をさけるべきかについての手引きである。

 

「既存の企業、とりわけ大企業は、企業家としての能力を身につけない限り、急激な変化とイノベーションの時代を生き抜くことはできない。」(『イノベーションと企業家精神』)

 

企業は変化していかなければならない。何事があろうとも大きく変化していかなければならない。
我々は常に「壮大な転換期」にいる。大恐慌、大戦後、リーマンショック、そして新型コロナ…これらの大転換期において社会の安定を確実なものとするには、既存の企業が生き残り繁栄する術を学ぶ必要がある。そのためには企業家として成功するための方法を学ばなければならない。

 

「われわれは必要とされる企業家精神を既存の企業に期待せざるをえない。しかも、既存の企業にこそ企業家的なリーダーシップの能力がある。それらの企業は必要な資源、とりわけ人材をもっている。すでに事業をマネジメントし、マネジメントのチームをつくりあげている。したがって既存の企業こそ、企業家としての機会をもちその責任を負っている。」(『イノベーションと企業家精神』)

 

急激な変化の時代には、それまで重要な地位を占めていたものの多くが陳腐化していく。少なくとも問題への取り組みの多くが無効となっていく。同時に、そのような時代には、新しい課題、実験、イノベーションの機会が多く生まれる。そしてなによりも社会の支配的な認識や空気が大きく変化する。

 

既存の大手企業に対して、ベンチャーについて言えば、それは過去のあらゆる企業家の時代においてそうであったように、イノベーションの主たる担い手であり続ける。

 

「アメリカでは企業家の候補には事欠かない。ベンチャーが不足することはない。しかし、それらのほとんど、特にハイテクのベンチャーは、企業家としてのマネジメントについて多くを学ばなければならない。単に生き残るためにもそれらを学ばなければならない。」(『イノベーションと企業家精神』)

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プロフィール

  • 井上和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1989年早稲田大学卒業後、リクルート入社。2000年に人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。2004年よりリクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)。2010年に経営者JPを設立、代表取締役社長・CEOに就任。 『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ずるいマネジメント』(SBクリエイティブ)『30代最後の転職を成功させる方法』(かんき出版)など著書多数。