2021/03/30
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第10回
「才能と努力」 ー結果と解説ー
- ビジネススキル
- エグゼクティブ
- 著述家・ビジネスコンサルタント 細谷 功氏
「DoubRing」で仕事や生活に関する様々な関係性を考える、その第5回のテーマはある意味で全ての人にとっての「永遠のテーマ」と言える「才能と努力」です。
「才能か努力か?」という問いは教育現場のみならず、ビジネスの現場でも頻繁に話題になったり自問自答したりするものではないでしょうか?
特にビジネスの場面においては、高い業績を上げたり早く昇進したりといったパフォーマンスを上げる「ハイパフォーマー」と、その逆の「ローパフォーマー」の差がどこから生まれ、どうすればハイパフォーマーを増やせるかというテーマは常に人材の育成や目標達成といった場面で話題に上ることかと思います。
「あの人は生まれながらに才能を持っている」
「そんなこと言っていても仕方がないから自分にできる努力を最大限にしてみよう」
「入社してから育てることに時間や労力をかけるより、才能を見抜いて素質がある人を採用することに注力すべきだ」
「努力しても数字や結果に現れなければビジネスにおいては意味がない。だから結果が全ての評価制度を作るべきだ」
「才能があることに慢心する『うさぎ』もいれば、逆に自分に才能がないからこそ努力してパフォーマンスをあげる『かめ』もいるから、努力が正当に評価される制度を構築すべきだ」
こんなやり取りが日々社内で行われているのではないでしょうか?
今回のサーベイではその「才能と努力」の関係について、DoubRingの手法で75名の方から有効回答を得ました。
(※DoubRingの詳細について知りたい方はこちらを参照下さい)
「才能と努力」の関係性
才能(A)と努力(B)の関係のアンケート結果
この結果から何が言えるでしょうか?
いつもの通り、回答数として75名というのは統計的に今回の対象となったエグゼクティブ層を代表させる数字としては不十分かも知れませんが、ある程度の傾向をつかむことはできるでしょう。
まず最も多くの人が選んだのは、パターン9、つまり「才能は大きな努力の中に含まれている」というパターンです。併せて僅差の第2位がパターン8、つまり「努力の方が大きさが大きく、両者は一部ラップしている」というものです。これらを合わせると56%と、これらふたつのパターンだけで半数を超えることになります。
要は、「努力の方が才能よりも大きい」のが今回の回答層からのメッセージのひとつと言えます。これはどのように解釈すれば良いのでしょうか?そもそも人間の様々な領域におけるパフォーマンスを見れば、明らかに生まれつきの才能が大きな影響を与えているであろうと明確に言えるものもあるでしょう。
例えばいちばんわかり...
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