TOP スペシャルコラムドラッカー再論 イノベーション、3つの「べからず」と3つの「成功条件」。

2021/03/29

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第261回

イノベーション、3つの「べからず」と3つの「成功条件」。

  • イノベーション
  • エグゼクティブ
  • マネジメント
  • 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO 井上和幸

 

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イノベーションには3つの「べからず」があるとドラッカーは言う。

 

「第一に、凝りすぎてはならない。イノベーションの成果は普通の人間が利用できるものでなければならない。」(『イノベーションと企業家精神』、1985年)

 

ユーザーの多くは「普通の人間」だ。凝り過ぎたイノベーションは、理解できない、使えない。結果としてほとんど確実に失敗する。

 

「第二に、多角化してはならない。散漫になってはならない。」(『イノベーションと企業家精神』)

 

一度に多くのことを行おうとしがちだが、これはNGだ。「なすべきこと」でドラッカーが言った、的を絞ると同義である。

 

「第三に、イノベーションを未来のために行ってはならない。現在のために行わなければならない。」(『イノベーションと企業家精神』)

 

確かにイノベーションは長期に渡って影響を与えることがよくある。だからと言って、「25年後には大勢の高齢者がこれを必要とするようになる」では立ち行かないとドラッカーは指摘する。「これを必要とする高齢者はすでに大勢いる。25年後にはもっと大勢いる」、でなければならない。ベンチャービジネスにおける念のための留意点だろう。

 

そして改めて、イノベーションを成功させる3つの条件があるとドラッカーはまとめている。

 

「第一に、イノベーションは集中でなければならない。」(『イノベーションと企業家精神』)

 

イノベーションを行うには、知識が必要、創造性が必要、そして卓越した能力を発揮する人たちもいる。だが彼らが同時に異なる分野でイノベーションを行うことはほとんどないとドラッカーは分析する。稀有な例は、イーロン・マスクだろうか?

 

「第二に、イノベーションは強みを基盤としなければならない。イノベーションに成功する者はあらゆる機会を検討する。自分たちに最も適した機会はどれか、自分たちの組織に適した機会はどれか、自分たちが得意とし実績のある能力を生かしてくれる機会はどれかを考える。」(『イノベーションと企業家精神』)

 

実際のところ、イノベーションは他の仕事となんら変わるところなく、いや、それ以上に自らの強みを基盤とすることが重要だ。
ドラッカーはそれに加えて、相性も大事、何よりもその価値を心底信じていなければ成功しないと断言している。読者経営者の皆さんには、いわずもがなだろう。

 

「第三に、イノベーションはつまるところ経済や社会を変えなければならない。」(『イノベーションと企業家精神』)

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プロフィール

  • 井上和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1989年早稲田大学卒業後、リクルート入社。2000年に人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。2004年よりリクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)。2010年に経営者JPを設立、代表取締役社長・CEOに就任。 『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ずるいマネジメント』(SBクリエイティブ)『30代最後の転職を成功させる方法』(かんき出版)など著書多数。