2021/03/10
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第135回
心臓外科医から経営者へ転身! 在宅医療と遠隔医療のプラットフォームは自分たちがつくる。
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 株式会社リーバー 代表取締役CEO 伊藤 俊一郎氏
AGRIE GROUP(アグリーグループ)および、株式会社リーバーの創業者・伊藤俊一郎CEOは、元心臓外科医。10年間勤務した後、病院だけでは解決できない課題と向き合うため、2015年に経営者へと転身し、現在(2021年2月)までに2つの有料老人ホームと11の在宅医療専門のクリニックを開設・運営されています。また、2017年には、遠隔医療に歩を進めて、医療相談アプリ『LEBER』をリリース。これは24時間365日、スマホで医師に相談できるサービスで、昨年のコロナ禍によりユーザーが20倍、医療相談件数が10倍に急増するなど、ウィズコロナの時代にあって大きな注目を集めています。
(聞き手/井上和幸)
病院では解決できない課題に向き合うため心臓外科医から経営者に。
――伊藤さんは、もともとは医師としてやっていかれるということで社会人をスタートされたわけですよね。
伊藤 はい。筑波大学医学部を卒業した後に心臓外科医になりたいと思い、そのまま筑波大学附属病院に就職して研修を積んでいました。しかし、勤務医として働く中で、医師の過重労働や、高齢者の行き場がなかなか見つからない問題などについては、病院だけでの課題解決は難しいのではないかと思うようになり、ちょうど10年経った2014年に心臓外科医を辞めました。
――心臓外科医というと、そこで職人のようにスペシャリティを極めていくイメージを勝手に持っているのですが、伊藤さんは、どのような経緯で経営者へと転身されたのでしょう?
伊藤 心臓外科医に限らず医者の世界は技術職ですので、自分の技術を高めることに興味を持ち、集中するべきだと思います。だからこそ患者さんも命を預けられると思いますし、私自身もそうやって技術を向上させることが患者さんの命を救うことになると思ってきました。しかし、医者になって8~9年目くらいに、通勤時間が往復2時間かかる職場に勤めることになり、毎日クルマを運転している最中に、「このまま心臓外科医として一生を全うするか? もしくは、違う何かをやるか?」ということをすごく考えるようになったんですね。
当時は、高齢者を病院から追い出さざるを得ない医療体制に疑問を感じていたので、「老人ホームや在宅医療であれば医療にホスピタリティを取り戻せるのではないか? そのために自分で事業を起こそう」と思いました。そう思い立ってから教授にお伝えし、辞表を出すまでに3~4ヵ月しかなかったと思います。
――それまでは、起業を考えたことはなかったの...
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