2021/02/24
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イマ、ココ、注目社長!
第133回
「人と違う道を進む」固い決心が、フィンテック業界にイノベーションを生んだ。
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 八巻 渉氏 株式会社カンム 代表取締役
金融の分野にイノベーションをもたらすといわれるフィンテック。画期的な新サービスが次々に登場している。その中でも注目を集めているのが、株式会社カンム(2011年)が提供するプリペイドカード決済サービス「バンドルカード」だ。「バンドルカード」とは、アプリから1分でネットショッピング専用の「バーチャルカード」が発行され、使う分のお金をチャージしてすぐにご利用できるというもの。これまでクレジットカードに縁のなかった若いユーザーを中心に、アプリはダウンロード数300万を突破した。「難しいことを成し遂げて、みんなを驚かせたい」と語る代表取締役の八巻渉氏にお話をうかがった。
(聞き手/井上和幸)
受験失敗から人と違う道を進もうとベンチャーを目指す
――八巻さんは2009年に慶應義塾大学理工学部を卒業後、人工知能(AI)系のベンチャー企業に入社されたということですが、まずはその経緯からお聞かせいただけますか。
八巻 在学中からエンジニアの仕事をしていたので、ある程度の収入がありました。そのため就職活動では、収入面でも、やりがいの面でも、アップサイドの仕事をしたいと考えていました。
また、若いうちに成長するには、最初にアサインされた上司が重要なので、上司が選べる企業に就職したいとも考えていました。そのため一括採用ではなく、部門別の採用をする企業を志望しました。
通常の就職活動以外にエージェントを通した活動なども行い、外資系の大手コンサルタント会社やインドの企業などが候補に挙がりましたが、「エンジニアとしてイノベーションを起こしたい!」という気持ちが強くなり、最終的にはAI系のベンチャー企業に入社しました。
――学生時代から、上司を選べる企業を目指すというのはすごいことですね。
八巻 当時は漠然とした考えでしかなかったのですが、自分で意思決定をしないと、覚悟も決まらないし、成長もできないという思いがありましたね。
――在学中からエンジニアの仕事をしていたということですが、具体的にはどのようなことをしていたのですか。
八巻 最初は時給制のアルバイトでしたが、途中から自分で案件を受注するようになりました。当時はmixiの全盛時代で、ああいった形の専門性のあるSNSを作りたいというニーズがあり、そうした企業や個人からの要望に応えていました。
――入社後はエンジニアをされていたのですか。
八巻 はい。データ解析などを行っていました。
――そこに3年...
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