TOP 社長を目指す方程式 グーグル“直伝”の上司のルール 部下の生産性を高める方法とは

2021/02/16

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第59回

グーグル“直伝”の上司のルール 部下の生産性を高める方法とは

  • キャリア
  • マネジメント
  • ビジネススキル
  • 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO 井上 和幸

 

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今回の社長を目指す法則・方程式:

Google「13の秘密の質問」

 

新型コロナ感染拡大から1年が経過しました。2度目の緊急事態宣言も10都府県で3月7日までの延長戦に入っており、全ての上司の皆さんがこの環境下でマネジメントに奮闘されていらっしゃいますが、ここ最近、私が上司の皆さんから折々相談されるのは、「どうもチーム全体に、漠然とした停滞感が漂うんですよね…」「踏ん張りどころですが、昨年のような危機意識の醸成が、部下たちに対して効かなくなってきて困っています」というような話です。

 

気合いだけで乗り切れるレベルではもはやなく、張り詰めた気持ちを保ち続けるのはもう限界に近いです。危機対応の短期決戦モードから、ウィズコロナが常態化するにつれて、いかにこの持久戦を戦い、部下の生産性・やる気を高めるかというところに、上司の皆さんのテーマが移っています。

 

グーグルが明らかにした優れたマネジャーの「10の条件」

これに関して、上司の皆さんに役立てていただきたいのが、グーグルが自社での研究成果を公開した「Googleマネージャーの行動規範」です。これは、グーグルが膨大な時間とコストをかけてチームのパフォーマンスやメンバーの生産性と上司のタイプの関係性を調べ、そこから優れたマネジャーの10の条件を挙げたものです。私も各処でご紹介しています。

 

1. 良いコーチである
2. チームに任せ、細かく管理しない
3. チームの仕事面の成果だけでなく、健康を含めた充足に配慮し、インクルーシブ(包括的)なチーム環境を作る
4. 生産性が高く、結果を重視する
5. 効果的なコミュニケーションをする-人の話をよく聞き、情報を共有する
6. キャリア開発をサポートし、パフォーマンスについて話し合う
7. 明確なビジョンや戦略を持ち、チームと共有する
8. チームにアドバイスできる専門知識がある
9. 部門の枠を超えてコラボレーションを行う
10. 決断力がある

 

これに基づきグーグルでは、部下から上司に行われる「アップワード(上方)フィードバック調査」が半年に1度行われているそうです。上司が部下をではなく、部下が上司のスコアリングを行うのです!

 

調査アンケートには部下に当たる3人以上が匿名で回答し、集計後のフィードバックレポートを対象となる上司本人が受け取ります。全部で13の項目に対して、「非常にそう思う」が5、「まったくそう思わない」が1、で、5段階のうち当てはまるものを回答するのです。

 

具体的な13項目は、以下の通りです。

 

 

1. マネジャーとして他の人に推薦できる
2. 能力を伸ばせる機会を与えて、キャリア開発をサポートしてくれる
3. チームに明確な目標を伝えている
4. 具体的にアクションできるフィードバックを定期的に提供してくれる
5. 仕事に関して自主性を尊重してくれる(マイクロマネジメントをしない)
6. 1人の人間として常に思いやりを示してくれる
7. 困難な状況においてもチームが最優先の仕事に集中できるように取り計らってくれる(他のプロジェクトを断ったり、優先順位を下げたりすることが必要となる時など)
8. 上層部からの重要な情報を随時伝えてくれる
9. 過去半年の間に、自分のキャリア形成について有意義な話し合いの場を設けてくれた
10. 部下を効果的にマネジメントするための専門知識(技術的知識、セールスの知識、経理の知識など)を有している
11. マネジャーとの間で意見の相違があったとしても、自分の意見を尊重してくれていることが行動から伝わる
12. 困難な状況においても優れた意思決定を行える(複数のチームに関連したり、関係者間での優先順位が異なったりしている状況など)
13. チームや組織の枠を超えたコラボレーションを効率よく行える
(Google re:Work ガイド「マネージャーにフィードバックを提供する」より

 

“グーグル流”優れたマネジャーへのPDCAを回す

いかがでしょう?「結構できてるな」と思われましたか?「いやいや、こんなこと、できる人いたら超人でしょ!」と思われました?大切だとは分かっていても、なかなか実際にはできていないなという上司の皆さんが多いのではないかと思います。

 

このサーベイが上司のどのようなことを見ているのかを理解できれば、あなたも生産性高いチームとメンバーを生み出す優れたマネジャーになれるはずです。以下、私なりに13項目を整理してみますと、

 

  • 3,7,8,12→仕事に意味を見出してあげる
  • 6,10,13→協働、承認を与える
  • 5,11→心理的安全性を確保する
  • 2,4,9→キャリア、成長を支援する

 

というようなことになるかと思います。これができれば、あなたのチームは最高のコンディションとなり、チームメンバーたちの生産性はMAX高まるのです!

 

各項目は、優れたマネジャーの10の条件に紐づいています。このフィードバックは上司の「評価」ではなく、あくまで「育成」が目的。部下からフィードバックを定期的に得ることで、何ができていて、何が不足しているのかをチェックし、改善を図るよう促すことで、マネジャーたちのレベルアップを実現しようとしているのですね。それが結果として、社内の各チームの生産性を上げ、メンバーたちの生産性をあげることにつながるわけです。

 

このサーベイは先ほどご紹介した「Google re:Work ガイド『マネージャーにフィードバックを提供する』」で、実際に使えるようにテンプレートが共有されています。よろしければ、皆さんの部下たちに<アップワード(上方)フィードバック>してもらってはいかがでしょうか?(笑)

 

*         *         *

 

上司の皆さんが部下たちに「仕事に意味を見出してあげる」「心理的安全性を確保する」「キャリア、成長を支援する」「協働、承認を与える」ことが、ウィズコロナでも気力を創出し、いずれ来る<コロナ後>に向けてメンバーたちが主体的に取り組むためのモチベーション装置なのです。

 

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※この記事は、「SankeiBiz『井上和幸 社長を目指す方程式』」の連載から転載したものです。
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プロフィール

  • 井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。