TOP とことん観察マーケティング 「神田明神」伝統文化とサブカルチャーによる神社の革新

2021/02/10

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第48回

「神田明神」伝統文化とサブカルチャーによる神社の革新

  • 経営
  • マーケティング
  • 有限会社オフィスフレンジー 代表 野林 徳行氏

野林徳行です。「KEIEISHA TERRACE」にてマーケティングコラムの連載をさせていただいております。

 

48回目のコラムです。『カスタマーを知る』こと、『引き出しを増やす』ことの大切さを毎回書かせていただいています。今回は、年初に神田明神のイベントなどを運営している会社から呼んでいただいて、伝統文化とサブカルチャーによる神社の革新についてご相談いただきましたので、それを記しました。

 

神田明神創建1300年記念事業 神田明神文化交流館 「EDOCCO」(2018年12月開業)

神田明神は神田・日本橋・秋葉原・大手町・丸の内地区の氏神さまです。神田明神文化交流館 「EDOCCO」は2018年に、天平2年(730年)の創建より1300年を迎える記念事業として、ご神徳の高揚と共に伝統文化の継承と新たなる文化の発信を志して建設されました。神札授与所・御参拝受付・飲食店や土産物店・様々な使用方法が期待できる「神田明神ホール」・多様な伝統文化を体験できるスタジオ・屋上庭園を備えた貴賓室など、充実した施設となっています。

 

毎年、年初には多くの企業がこぞって訪れる商売繁盛の神社ではありますが、近年は、『ラブライブ!』や『こちら葛飾区亀有公園前派出所』など人気アニメとのコラボでも知られ、そのユニークな取組みで世間の耳目を集めています。延期となってしまいましたが、東京五輪で外国人参拝者の激増が予想されるなか、「神田明神を日本の伝統文化の発信基地として育てていきたい」との思いから構想されたものです。総工費は45億円。宮司は、新しい時代に向けて生き残るために、伊勢神宮や明治神宮ではできないことに取り組んでいきたいとの思いから常に新しい文化を取り込み続けています。伝統的な文化はもちろんのこと、アイドルやアニメなども日本を代表する文化として発信の場とするスタンスがステキです。

 

コンセプトは、「伝統と革新」。いままで神社に興味がなかった層や訪日外国人観光客を呼び込むために、まさにマーケティングを導入しました。イベントと日本文化体験によって集客を図り、新たな文化が生まれる装置として文化交流館を活用することとなりました。伝統を守り続けるだけという発想から、伝統を活用しながら、新しい文化も取り入れて、新しい、そして永続的な神社の役割を進化させようとなったわけです。

 

1階のカフェ 「EDOCCO  CAFÉ  MASU  MASU (江戸っ子 カフェ マスマス)」

日本古来から計る道具として使われている升とマスマス商売繁昌・マスマス縁結びをかけて命名。日本文化をモチーフにする中にもキティちゃんとのコラボが壁一面に広がっています。2020年は、「ハローキティ」とのコラボメニューとして、カフェラテ、抹茶ラテ、苺ラテ、枡パフェも展開しています。また、神社声援「ジンジャーエール」は、合格祈願・平癒祈願・必勝祈願等の「お守り」をボトルの首に掛けて贈り物として使えるアイデア商品で、瓶を返却すると御縁玉(五円玉)が頂けます...

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プロフィール

  • 野林 徳行氏

    有限会社オフィスフレンジー 代表

    1964年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。1987年リクルート入社。経営企画、事業戦略、商品企画、プロモーションプランニングなどを担当し、カスタマーを知ることに徹底的にこだわった行動で各事業の業績向上に寄与。ブックオフコーポレーションへの出向を経て、2003年ローソン入社。執行役員としてマーケティング、エンタテイメント、商品開発を担当し、数々のヒット企画を生み出した。2010年ローソンエンターメディア代表取締役社長に就任。2012年レッグス入社。CMOとしてキャラクターを活用した販売促進を強化。2016年FiNC CMO就任。人工知能を活用したヘルスケアアプリのマーケティングを推進。現在はブックオフコーポレーション取締役、高木学園マーケティング講師、NewsTV取締役など。著書「とことん観察マーケティング」をベースにした講演・研修を実施中。