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2021/01/27

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とことん観察マーケティング

第47回

競合と協業の両立 チケットエージェンシー共通基盤構想への期待

  • マーケティング
  • 有限会社オフィスフレンジー 代表 野林 徳行氏

 

野林徳行です。「KEIEISHA TERRACE」にてマーケティングコラムの連載をさせていただいております。

 

47回目のコラムです。『カスタマーを知る』こと、『引き出しを増やす』ことの大切さを毎回書かせていただいています。 

 

今回は、先日発表されたチケットエージェンシー大手の「株式会社イープラス」「ぴあ株式会社」「株式会社ローソンエンターテインメント」が非営利の組合を組成して、チケット票券業務の共通基盤の開発に乗り出すことについて記します。

 

競合である大手チケットエージェンシー3社が、大変な作業である票券業務の一元管理に乗りだした

私が、ローソンのエンタテイメント本部長をしているとき、そしてローソンチケット(社名は株式会社ローソンエンターメディア)の社長をしているとき、数万社に及ぶイベント主催者の各イベントの票券業務への労力は大きな課題でした。大手3社はその同じ作業をそれぞれがやっていたわけです。当然3社は競合関係にあり、ローソンチケットはローソン、ぴあはセブンイレブン、イープラスはファミリーマートと出資関係における競合環境があり深い溝になっていました。ライブの現場では3社とも将来を語り合うなど和気あいあいとしているのですが、コンビニエンスストアにおけるエンターテインメントでの集客というミッションがある以上、できれば独占販売を狙う競合同士になってしまうのです。

 

票券業務(チケット販売管理)を1本化するという話は、「できれば理想」という思いは各社ありましたが、競合関係である以上なかなか進みませんでした。票券業務とは、各チケットエージェンシーへの配券枚数が確定すると、その座席管理・販売枚数管理をしていくことです。野球場などはわかりやすいですが、ライブの特設シートや、招待用のシートなどほぼすべてにイレギュラーがあり、間違ってしまうと2重発券などのトラブルになってしまう非常に繊細な作業なのです。

 

また、先行受付・一般受付、インターネット先行販売、クレジットカード会社優先販売など販売方法も驚くほど多岐にわたります。また効果的に販売するためにはイベント内容の書き方にもこだわります。そしてフェスなどでは少しずつ発表される大物アーティスト、またはアーティストの来日中止などさまざまなアクシデントもあります。

 

コロナ禍においては、来場の上での諸注意、キャンセル手数料など、主催者とカスタマーの間で奔走することになります。主催者もこの業界を引っ張ってきたイベンターやスポーツ球団のような存在から、県職員が企画したイベントや小さいライブハウスまであります。システム登録ですべて動いているのならいいのですが、電話・ファックス・メールなどで頻繁に修正が入ります。...

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プロフィール

  • 野林 徳行氏

    有限会社オフィスフレンジー 代表

    1964年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。1987年リクルート入社。経営企画、事業戦略、商品企画、プロモーションプランニングなどを担当し、カスタマーを知ることに徹底的にこだわった行動で各事業の業績向上に寄与。ブックオフコーポレーションへの出向を経て、2003年ローソン入社。執行役員としてマーケティング、エンタテイメント、商品開発を担当し、数々のヒット企画を生み出した。2010年ローソンエンターメディア代表取締役社長に就任。2012年レッグス入社。CMOとしてキャラクターを活用した販売促進を強化。2016年FiNC CMO就任。人工知能を活用したヘルスケアアプリのマーケティングを推進。現在はブックオフコーポレーション取締役、高木学園マーケティング講師、NewsTV取締役など。著書「とことん観察マーケティング」をベースにした講演・研修を実施中。