TOP 私が経営者になった日 【ホームセンターカインズ 土屋会長】新社長としての最初の試練は、新業態での大赤字。(Vol.2)

2021/01/25

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私が経営者になった日

第53回

【ホームセンターカインズ 土屋会長】新社長としての最初の試練は、新業態での大赤字。(Vol.2)

  • 経営
  • キャリア
  • 経営者インタビュー
  • 株式会社カインズ 代表取締役会長 土屋 裕雅氏

 

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社長に任命された日=経営者になった日ではありません。経営者がご自身で「経営者」になったと感じたのは、どんな決断、あるいは経験をした時なのか。何に動かされ、自分が経営者であるという自覚や自信を持ったのでしょうか。

グループ総売上は1兆円を超える一大流通企業、ベイシアグループ。創業家2代目であり、現在はその中核を担う企業の一社、業界のトップ企業として常に新しい試みで成長をし続けている株式会社カインズ 代表取締役会長の土屋裕雅氏に3回にわたってお話をうかがいました。

 

(第1回目はこちら

 

1位ではないけれど、トップの気概。

グループでの最初の事業会社として入社したセーブオンでは、なかなか思うような成果が残せなかった。

 

「その後、カインズに異動になり、そこからは、わりととんとん拍子にいきました。野村證券もそうですが、カインズは男っぽい雰囲気というか、いつも誰かが何かに意見していたり、時には激しく言い合っていたり。でも僕は、別にそれは嫌じゃなくて、むしろ心地良いところがありました。何か言うとすぐに反応が返ってくるというところも、すごくやりやすかったんです」

 

土屋氏が行った時点では、カインズはまだ業界の1位ではなかった。しかし、社内の意識では、すでにトップ企業の気概があったという。

 

「カインズは不思議な会社で、1位じゃないのにずっと1位のつもりでいたというところがあるんですよ。それで、数年たつと、本当に1位になるのですけれども。そのくらいの勢いがいつもあったんですよね。この業界のリーディングカンパニーとして業界全体を引っ張るみたいな意識が、すごくありました。

ただカインズへの異動に、僕の意思は本当になかったんですよ、セーブオンでまだ成果を出すこともできていませんでしたから。でも今思うと、この異動というのは誰が決めたのか知らないけど、僕にとって素晴らしい選択だったんです」

 

物理的な距離が自立を促す。

なぜ「素晴らしい選択だったか」のか。当時、ベイシアの本部は前橋にあり、そこに分社したセーブオンや、ベイシア電器などのグループの会社が入っていた。しかし、カインズだけは、高崎に別のオフィスがあった。

 

「目立たないんです、オフィスが分かれていたから。父も、前橋の本部には出社しますが、わざわざ高崎オフィスには出社しないわけです。この、場所が離れているというのは、カインズの自立のためにも、僕のためにも、結果的にはすごく良かったのだと思います。やはり、父のような強烈な創業者がもともといる中での話ですから、彼が頻繁に来てしまうと、いろいろ言うでしょう。言うということは、こちらからすれば言われるということですから、どうしても受け身...

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プロフィール

  • 土屋 裕雅氏

    株式会社カインズ 代表取締役会長

    1966年9月生 群馬県出身
    1990年 早稲田大学商学部 卒業
    1990年 野村證券株式会社 入社
    1996年 株式会社いせや(※)入社
        (※現 株式会社ベイシア)
    1998年 株式会社カインズ 入社
    1998年  同  取締役就任
    2000年  同  常務取締役就任
    2002年  同  代表取締役社長就任
    2019年  同  代表取締役会長就任
                  (現任)