TOP 社長を目指す方程式 2021年、あなたの存在意義と進むべき道を明確化する5つの質問

2021/01/05

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第56回

2021年、あなたの存在意義と進むべき道を明確化する5つの質問

  • キャリア
  • マネジメント
  • ビジネススキル
  • 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO 井上 和幸

 

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今回の社長を目指す法則・方程式:

ピーター・F・ドラッカー「5つの質問」

 

あけましておめでとうございます。今年も上司の皆さんに役立つマネジメントのヒント、社長を目指すキャリアのヒントをお届けできれば幸いです。

 

新しい年が始まり、一年の計を立てられる上司の皆さんも多いことでしょう。足元ではコロナ禍との戦いが続きますが、こんな時だからこそ、アフターコロナへの想いとイメージを乗せて、大義ある目標を設定してみたいものです。少し青臭いかもしれませんが、ここは大きく、世の中に自分がなすべきこと、貢献したいことをはっきりさせ、旗を掲げてみませんか? そのために、ぜひ知っていただきたいドラッカーから皆さんへの「質問」があります。

 

シンプルだからと言って、侮るべからず

マネジメントの父、ピーター・F・ドラッカーは、存命中にコンサルティングに関わる企業経営者に必ず問うた「5つの質問」がありました。

 

「「最も大切な5つの質問」とは、今行っていること、行っている理由、行うべきことを知るための経営ツールである。それは、「われわれのミッションは何か?」「われわれの顧客は誰か?」「顧客にとっての価値は何か?」「われわれにとっての成果は何か?」「われわれの計画は何か?」という5つの問いからなる経営ツールである。すべてが行動につながる。何ごとも行動が伴わなければ意味はない」(『経営者に贈る5つの質問』ダイヤモンド社、2008年)

 

1.われわれのミッションは何か?
2.われわれの顧客は誰か?
3.顧客にとっての価値は何か?
4.われわれにとっての成果は何か?
5.われわれの計画は何か?

 

あまりにシンプルなために、何か肩すかしをくらったように感じる経営者や幹部も少なくないとかねてより言われてきたのが、この5つの質問です。
何を隠そう、私も、その一人でした。「何だ、一般論的な質問だし、そもそも、だいたい分かっていることだよなぁ」。

 

さて、しかし、読者上司の皆さんも、せっかくの年始の時間。この5つの質問について、PC、スマホ、ノートに向かって、ご自身の回答を書き出してみて欲しいのです。

どうでしょう? すらすら書けましたか? また、書けたという方は、本当にそれで正しいと思いますか?

 

私自身、かれこれ10数年前にこの問いに初めて真正面から向き合ってみた折に、その中のいくつかの項目(私の場合は「われわれの顧客は誰か?」「顧客にとっての価値は何か?」「われわれにとっての成果は何か?」でした)について、本当に理解できているのだろうか…? という猛烈な不安に襲われることになりました。
誰を相手に事業、サービスをしようとしているのか? その顧客は、本当にいま自分たちが提供していること・ものを求めているのか? そもそも、それは自分たちの成果だと堂々と呼べるものだろうか?

 

結果として、当時従事していた事業に関して、本当に相手とすべき顧客と提供すべきソリューションの大幅な軌道修正を行ったことを、今でも明確に記憶しています。それが当時、何度かの事業急成長の起爆剤ともなりました。

 

以来、折に触れて5つの問いについて確認し直してみるのですが、毎回、新たな気付きと発見、上書き更新を続けています。今回も2021年バージョンを策定しましたよ!

 

自分自身をワクワクさせるものになっているか?

「シンプルな質問ほど答えにくい。なぜか。質問がシンプルならば答えもシンプルなはずである。しかし、そうではない。質問がシンプルであるほど正面から答えなければならない。時には痛みを伴う自己評価が必要となる。私たちは、いかなる組織にあろうと、ドラッカーが問いかける5つのシンプルな質問に答えないかぎり、顧客、組織、自らに対し、やがて害をなすことになる。」──フランシス・ヘッセルバイン(リーダー・トゥー・リーダー財団創立者)

 

実際に、この5つの質問と向き合ってみると、これまで自分がなんとなくやってきたことを否定しなければならないことに気が付いたり、捨てたくなかったものを捨てたほうが望ましい(ドラッカーは「破棄」と言います)ことを自覚させられたりします。
そこで逡巡するか、思い切って一歩踏み出して新しい世界にチャレンジするか。どうするかは、あなた次第です。

 

「「5つの質問」がもたらすものは、行動のための計画である。計画とは明日決定するものではない。決定することができるのは、常に今日である。明日のための目標は必要である。しかし、問題は明日何をするかではない。明日成果を得るために、今日何をするかである。」(『経営者に贈る5つの質問』)

 

「5つの質問」は、決してお題目でもないし、抽象的な原則論でもありません。ドラッカーが言う通り、それは<行動につながる経営ツール・マネジメントツール>です。

 

「すべてが行動につながる。何ごとも行動が伴わなければ意味はない。」(『経営者に贈る5つの質問』)

 

この5つの質問に対し自分なりの回答を出すには、どのようなことを意識すればよいか。ドラッカーの教えを元に、私なりに大事にしていることをご紹介します。

 

  • 本当に大切なことだけ行う
  • ミッションを達成するプロセスそのものが、心から楽しめるものであることを絶対に満たすものにする
  • 楽しく、生きがいのある時間を最大化し、そうでない活動はやめる
  • 自分が持っている強みと資源は、顧客のニーズにマッチしているかを確認する
  • 成果は必ず、計測、評価可能なかたちに定義する

 

これらを満たした5つの質問の答えが設定できると、とてもクリアに進むべき道が見え、ぶれることがなくなり、何事においても判断が早くなります。5つの質問を成し遂げること、また成し遂げようと日々行動すること自体がワクワクしてならなくなるはずです!

またドラッカーは、この5つの質問は、定期的に見直していくことが重要だとも言っています。

 

「何ごとにも満足することなく、すべてを見直していかなければならない。だが、最も見直しが求められるのは、成功しているときである。下向きに転じてからでは遅い。明日の社会をつくっていくのは、あなたの組織である。そこでは全員がリーダーである。ミッションとリーダーシップは、読むもの、聞くものではない。行うものである。「5つの質問」は、知識と意図を行動に変える。しかも、来年ではなく、明日の朝にはもう変えている。」(『経営者に贈る5つの質問』)

*         *         *

 

<行動につながるマネジメントツール>を携えて進む上司は、最強です。それでこそ、社長を目指す皆さんです。
そして、それがなによりもドラッカー究極の質問、「私たちは何をもって憶えられたいか」に対する答えを私たちにもたらしてくれることになるのです。

 

ドラッカーの5つの質問で、ぜひ皆さんのミッションとビジョン、そして具体的行動を明確化し、2021年をすがすがしくスタートしましょう!

 

 

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※この記事は、「SankeiBiz『井上和幸 社長を目指す方程式』」の連載から転載したものです。
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プロフィール

  • 井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。