TOP とことん観察マーケティング コロナ禍からエンタメ業界が立ち上がるには

2020/12/23

1/1ページ

とことん観察マーケティング

第45回

コロナ禍からエンタメ業界が立ち上がるには

  • マーケティング

 

野林徳行です。「KEIEISHA TERRACE」にてマーケティングコラムの連載をさせていただいております。

 

45回目のコラムです。『カスタマーを知る』こと、『引き出しを増やす』ことの大切さを毎回書かせていただいています。 

 

今回は、新型コロナウイルスの影響で大きな打撃を受けて、今も試行錯誤しているエンターテインメント業界について触れさせていただきます。  

 

あまり聞きたくないニュースが聞こえてきました。エイベックス、セガサミーの希望退職募集

エイベックスが初の希望退職を募集すると発表しました。募集人数は約100名。募集期間は2020年12月10日~21日で、退職日は2021年年3月31日予定です。ライブ、舞台などを含む音楽事業の一部と間接部門に在籍する40歳以上で、対象社員443名とのことです。エンターテインメントのトップ企業ですから衝撃のニュースとなりました。

 

発表では第2四半期の連結での最終利益も32億8,900万円の赤字となりました。最大の要因は、ライブ、イベントの開催自粛による売上減で、売上前年同期比は44.0%減の342億7,900万円と苦戦したと発表されています。「a nation」などの大型イベントや、夏の大きなライブがことごとく中止でしたから未曽有の事態です。

 

遊技機やゲームなどの事業を展開するセガサミーホールディングスもグループ正社員と契約社員を対象に計650人の希望退職者を募集すると発表しました。新型コロナウイルスの影響で業績が悪化しており、コスト削減を進めざるを得ないようです。募集期間は2020年11月16日~12月25日まで。特別退職加算金の支給や希望者への再就職支援などを実施するとのことです。

 

9月中間連結決算の純損益は217億円の赤字(前年同期は98億円の黒字)に転落しています。娯楽施設を運営する連結子会社セガエンタテインメントの株式の85.1%を遊技機器関連のGENDAに譲渡し、国内のゲームセンター運営事業から年内に撤退するとのことです。

 

ローソンやレッグスのころにビジネスにおいて大変お世話になった2社のニュースに改めて心を痛めています。

 

まずは配信から頑張る。日清パワーステーション復活

第二次バンドブームの1988年3月に開業、1998年6月に惜しまれながら閉鎖した東京・新宿のライブハウス「NISSIN POWER STATION」が22年ぶりにREBOOT(再起動)すると日清食品が発表しました。日本初の配信特化型ライブハウス「日清食品 POWER STATION[REBOOT]」として2020年11月21日にオープンしています。

 

かつて日清食品の東京本社ビル地下で運営されていた約700人収容の「日清パワーステーション」は、ディナーしながらロックできる「ロッキンレスト...

こちらは会員限定記事です。
無料会員登録をしていただくと続きをお読みいただけます。

プロフィール

  • 野林 徳行氏

    野林 徳行氏

    有限会社オフィスフレンジー 代表

    1964年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。1987年リクルート入社。経営企画、事業戦略、商品企画、プロモーションプランニングなどを担当し、カスタマーを知ることに徹底的にこだわった行動で各事業の業績向上に寄与。ブックオフコーポレーションへの出向を経て、2003年ローソン入社。執行役員としてマーケティング、エンタテイメント、商品開発を担当し、数々のヒット企画を生み出した。2010年ローソンエンターメディア代表取締役社長に就任。2012年レッグス入社。CMOとしてキャラクターを活用した販売促進を強化。2016年FiNC CMO就任。人工知能を活用したヘルスケアアプリのマーケティングを推進。現在は、有限会社オフィスフレンジー代表、高木学園理事兼英理女子学院高等学校マーケティング講師、NewsTV取締役、4DT取締役、ログノート監査役。さらに、ブックオフグループホールディングス、聡研プランニング、ニューネックス、助成金制度推進センター、メローネと多岐にわたる業種で顧問を務める。著書「とことん観察マーケティング」をベースにした講演・研修を実施中。

    この登場者の記事一覧をみる