2020/12/21
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私が経営者になった日
第51回
【将積保博氏】経営者だから、自分の熱量や夢をアウトプットしよう。(Vol.3)
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- 将積 保博氏 テックマークジャパン株式会社 代表取締役社長
社長に任命された日=経営者になった日ではありません。経営者がご自身で「経営者」になったと感じたのは、どんな決断、あるいは経験をした時なのか。何に動かされ、自分が経営者であるという自覚や自信を持ったのでしょうか。
欧米に比べ国内では認知度が高くなかった延長保証制度。その日本での先駆者的存在として、マーケティング視点からのアプローチで、クライアント企業の経営にも関わるサービスを提供し、成長を続けるテックマークジャパン株式会社 代表取締役社長 将積 保博氏に3回にわたってお話をうかがってみました。
(第2回はこちら)
失敗のない人生の選択はつまらない。
1年弱のヘッジファンドのアドバイザーを経て、多くの誘いの声がかかる中で、テックマークジャパンの社長をやると決めたのはなぜだったのか。
「いずれまた経営したいという気持ちはありました。最終的に、ある外資系保険会社が日本に投資信託会社を作るので副社長でという話と、AIGからテックマークジャパンの社長をやってくれないかという話をいただき、そのふたつで考えました。それまでのバックグラウンドからすると、投信のほうが失敗なく、商品作りもずっとやっていたので、無難です。だからこそ、その選択はつまらないかなと思いました。
それより、新たな領域で、かつ食品ベンチャーと違い物流も在庫も関係ないサービスでもあること、日本にまだ馴染みのないビジネスモデルで日本の社会に貢献できるようなものを、自分の実績の中でひとつぐらい残したいと、テックマークジャパンを選んだのです。
延長保証制度は、自分もアメリカで利用していましたし、社会の役にも立ち、まだ日本で定着していないサービスだからこそ、工夫して何かやってみたいという『クリエイティブな部分のチャレンジをしてみたい』というほうが強かったということです」
明日からビジネスモデルを変えよう。
当時のテックマークはスタートアップから13年経ったイギリス企業の日本支店という形態から、日本法人を立ち上げようというタイミングだった。アメリカで成功したビジネスモデルをそのまま日本に持ってきて、なかなかうまくいかずに、13年間で5人のアメリカ人社長が交代になっても、いまだスタートアップ企業という感じだったという。
「これは基本的にビジネスモデルから変えないとしんどいなと思いました。バックにAIGがいるといっても、僕が失敗したらこの会社を潰されるだろうなという危機感もありました。それで、ビジネスモデルを変えるには、どういうタイミングでどういうふうにやろうかと、人事も刷新するなど社内の...
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