TOP 戦略HRBPから見た、人・組織・事業・経営の現在&これから 組織のマインドセットを成熟させる「インクルーシブな土壌作り」が真の「ダイバーシティ経営」を成功へと導く

2020/12/10

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第7回

組織のマインドセットを成熟させる「インクルーシブな土壌作り」が真の「ダイバーシティ経営」を成功へと導く

  • 組織
  • 35CoCreation合同会社 CEO 桜庭 理奈氏

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私の働き人としての人生を振り返ると、国籍、性別、年齢、宗教、信条、価値観、教育背景、商習慣において、実に多様性に富んだ職場環境で仕事をしてきました。私が多国籍な市場でビジネスを展開する企業で働くことを意識的に選択してきたのは、今振り返ると、多様な同僚たちと切磋琢磨し、自由闊達に自分たちの意見や考えを共有し、その多様性が生む開かれた職場環境やカルチャー(企業文化)の清々しさと、居心地の良さが大きく理由として挙げられます。自分の可能性が解き放たれ、それが結果として正当だと感じる評価を周りからも受け、自信として積みあがっていくことで、もっと貢献して応えたいという前向きな感情も生まれます。さらに自分らしさを追求できるようになることで、いわゆる“個人商店化”するのではなく、逆にもっと会社やチームへの愛着が増しチームワークを重視するという、働き方にも大きな変化が起こりました。

 

インクルーシブな職場の真逆で働いてみて感じた「はみ出し者」の孤独感

実のところ、私はそれとは真逆の組織で働いたこともあります。予定調和や周りの“空気を読む”ことが暗黙の了解で、互いに期待値を高め合い、それにより職場の空気は重苦しいものとなっていました。我先にと口火を切る同僚は変人扱いされ、本当は心では同意をしていても、多数決で負ける側に加勢することの周りの評価を気にするがあまり、自分の真意を明らかにすることは憚られました。「人と違う」ことが前向きな捉え方をされるのではなく、少数派=取るに足らない意見というカルチャーが、自分の可能性を狭め、窮屈さを感じながら自分らしさや自信を失っていくような感覚を持ちました。

 

自分自身も周りの同僚も、結果として目の前の仕事をひたすら達成することに集中し、周りとの調和を重んじるはずが、孤独に、“個人商店化”していくことに、矛盾を感じました。私自身はそういった職場から抜け出すことを自主的に選択して、今の自分があるわけですが、振り返れば自分が大きく飛躍的に成長したと感じたのは、その後冒頭にある職場環境に出会ってからでした。

 

皆さんは経営者、または人事を預かる者として、どちらの職場環境が変革、イノベーション、成長を持続的に生み出す企業には必要だと思われますか。長期にわたって未来予測が難しくなる時代の波の中で、経営の手腕を発揮される経営者の皆さんは、チーム一丸となって一人ひとりの可能性と能力を最大限に引き出し、そのエネルギーを同じベクトルに向かって邁進する原動力とすることで、事業成長を望んでいるはずです。

 

「ダイバーシティ」の種を、最大に発揮できる土壌「インクルーシブな職場」で大きく育て上げていくことが、私が考える「ダイバーシティ経営」です。そこには、インクルー...

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プロフィール

  • 桜庭 理奈氏

    35CoCreation合同会社 CEO

    外資系金融企業での営業・企画推進を経て、人事へキャリアチェンジ。複数の外資系企業において、多国籍な職場環境で戦略的な人事を担当。2016年、アジアパシフィック地域統括の戦略人事担当として、外資系医療メーカーのGEヘルスケア ・ジャパン株式会社へ参画。2017 年より同社日本法人の人事本部長、2019年より執行役員として着任。2019年より組織開発コンサルティング活動をパラレルで開始し、2020年5月より35 CoCreation (サンゴ コ・クリエーション)合同会社を設立し、人事部&人事部長不在の多様な組織間で、CHRO(チーフ・HRオフィサー)人材のシェアド・リソース・サービスを提供する、人財プラットフォーム事業の代表を務める。愛知県出身。趣味はダイビング。