2020/12/10
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プロ経営者の条件
第8回
可能な限り現場で。9カ月間、身分を隠して店舗スタッフにーー現場感覚を大切にする経営(Vol.2)
- 経営者インタビュー
- プロ経営者の条件
- 経営
- キャリア
- 山田 哲氏 株式会社タイトー 代表取締役社長
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自身の実力だけを頼みに、独り、ビジネス界を歩き続けるプロ経営者。彼らは経営のプロフェッショナルとして、何を考え、何を経験し、どのような視座、価値観を持って仕事に臨んでいるのだろう。プロ経営者のプロたるゆえんを、実際に活躍中のプロ経営者の話から解き明かしていく「プロ経営者の条件」。
前回に引き続き、今回の「プロ経営者の条件」は、株式会社タイトー代表取締役社長の山田哲氏をゲストにお迎えした。山田さんは35歳で銀行を飛び出し、その後は、かつての経験に頼ることなく、常に興味を持った新しい分野にチャレンジしてきた。スターバックス時代には、最初の9カ月間は身分を隠して店舗スタッフとして働くことを志願。タイトーではテレビ番組の企画で変装し、一スタッフとして現場で働くなど、真の現場感覚を大切にする経営者でもある。連載2回目。
(1回目はこちら)
スタバ入社後、9カ月は身分を隠して店舗スタッフとして
井上 ここまでのキャリア、特にリーダーとして立たれて以降に、一番わくわくされたようなこと、あるいは、印象深いのはどんな場面でしたか。いまのお立場で、ということでもかまいませんが。
山田 組織の長という立場であれば、どのレベルであってもリーダーシップは発揮しなければいけませんし、自分でも、その時々、自分なりのやり方で、常にわくわくした気持ちでリーダーをやってきたと思います。
ただ、いま、タイトーの社長のような立場になると、わくわくといったことよりも、責任感の方が大きいですね。業績がちゃんと伸びるのかということや、社員の皆さんに自分の言っていることがちゃんと伝わっているか、また、どういえば伝わるのだろうかといったことを、ずっと考え続けている日々です。
ご質問にお答えするならば、上手くいけばわくわくですし、その直前までは大変ですし、常に表裏一体のところはありますね。
印象深いといえば、スターバックスのときの経験ですが、最初2年間はいわゆる店舗のビジネスにかかわっていました。特に、最初の9カ月間は当時の社長に頼み込んで、身分を隠して店舗で働かせてもらっていて、アルバイトと同じシフトで入り、エプロンをして朝から晩まで店で仕事をしていたんですよ。
井上 それはスターバックスに入社されて、すぐのタイミングでしょうか。
山田 そうです。ふつうは1カ月くらい現場経験をするのですが、「可能な限り長い時間やりたい」とお願いしたら、結果的に9カ月くらい経験させてもらうことができました。
井上 おお、それはすごいですね!
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