TOP 成功する経営者は皆、多読家。「TERRACEの本棚」 ソニー創業者の井深大氏が、パートのおばさんに「負けた」日/『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』

2020/12/02

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第132回

ソニー創業者の井深大氏が、パートのおばさんに「負けた」日/『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』

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  • 致知出版社 書籍編集部課長 小森 俊司氏

 

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成功する経営者は皆、多読家。
成功している経営者が注目している、読んでいる書籍をご紹介してまいります。
今回は、『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
本書の編集を手掛けられた、致知出版社の小森俊司氏に見どころを伺いました。

 

 

「365人へのインタビュー集」と聞くと、多くの記事を集めて作った内容の薄い本を想像してしまわれるかもしれません。

 

この本はそんな先入観を見事に打ち破ってくれます。

 

母体は、月刊誌『致知』。

 

稲盛和夫氏、永守重信氏、井村雅代氏、羽生善治氏、佐藤可士和氏、柳井正氏…などなど、人間の生きざまを深く掘り下げたインタビュー記事を42年間にわたって掲載し続けてきた『致知』の1万本以上におよぶ記事の中から、人間力・仕事力アップに特に役立つ記事を365編、選び抜きました。

 

どこから読んでも、どのページをめくっても、あなたの心をグッと熱くしてくれること間違いなしです。

 

例えば1月11日に収録されている、こんな話をご紹介しましょう。

 


 

ソニー創業者の一人である井深大さんが、社長時代、最新鋭の設備を備えた厚木工場ができ、世界中から大勢の見学者が来た。

 

しかし一番の問題だったのが便所の落書きで、会社の恥だからと工場長にやめさせるよう指示を出し、工場長も徹底して通知を出した。それでも一向になくならない。

 

そのうちに「落書きをするな」という落書きまで出て、さすがの井深さんもしょうがないかなと諦めかけていた。するとしばらくして工場長から電話があり、「落書きがなくなりました」と言う。

 

…さて、いったい何が起こったのでしょうか?

 

井深さんが「どうしたんだ?」と尋ねると、パートで来てもらっている便所掃除のおばさんが、蒲鉾の板二、三枚に、

 

「落書きをしないでください
ここは私の神聖な職場です」

 

と書いて便所に貼った。それで落書きがピタッとなくなった、というのです。この言葉に続けて、井深さんはこう言われています。

 

「この落書きの件について、私も工場長もリーダーシップをとれなかった。パートのおばさんに負けました。その時に、リーダーシップとは上から下への指導力、統率力だと考えていましたが、誤りだと分かったんです。以来、私はリーダーシップを“影響力”と言うようにしました」

 

と。…このエピソードを紹介してくださったのは、経営危機に陥った「はとバス」の社長に就任し、見事V字再建を果たした宮端清次さんです。宮端さんはこの話を受け、次のように解説されています。

 

「リーダーシップとは上から下への指導力、統率力が基本にある、それは否定しません。けれども自分を中心として、上司、部下、同僚、関係団体…その矢印の向きは常に上下左右なんです。

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プロフィール

  • 小森 俊司氏

    致知出版社 書籍編集部課長

    1979年滋賀県生まれ。京都精華大学1年の時、文章を見てもらった某雑誌の副編集長から「君みたいな人間は、東京に行って潰されてきたらいい」と言われ、一念発起。在学中にダチョウ倶楽部とナインティナインの評論記事が『日経エンタテインメント!』に掲載される。2004年致知出版社入社。月刊『致知』で約10年間、企画・取材・執筆に携わり、2014年より書籍編集部へ。担当書籍に『ぼくの命は言葉とともにある』(福島智・著)、『JALの奇跡』(大田嘉仁・著)、『国語の力がグングン伸びる1分間速音読ドリル』『齋藤孝のこくご教科書 小学1年生』(ともに齋藤孝・著)などがある。