TOP イマ、ココ、注目社長! すぐそこに来ている労働新時代を見据え、 真にリモートワーカーが働きやすい世の中作りを進めていく

2020/11/18

1/2ページ

第120回

すぐそこに来ている労働新時代を見据え、 真にリモートワーカーが働きやすい世の中作りを進めていく

  • 注目企業
  • 経営者インタビュー
  • 組織
  • 経営
  • 株式会社キャスター 代表取締役 中川 祥太氏

 

現役一流経営者の記事が読める!60秒で簡単メンバー登録はこちら  >

 

 

リモートワークを実施する企業が大幅に増加した2020年。実は、コロナ禍となる5年以上も前から、「リモートワークを当たり前にする」というミッションを掲げて設立された会社がありました。

人事、経理、秘書業務等のオンラインアシスタントサービス「CASTER BIZ」を中心に、リモートワーク導入コンサルティング、在宅派遣ワーカー紹介など、19に渡る関連サービスを提供している株式会社キャスター

 

元バンドマンにして、下北沢の古着屋経営者。そんな、異色の経歴をもつ中川祥太代表取締役が、独自の視点でとらえているリモートワークのこれから。そして、社のビジョン「労働革命で、人をもっと自由に」が実現された未来はどのような世界なのか。興味深いお話を数々うかがってきました。

(聞き手/井上和幸)

 

働く人の暮らしが想定されていないビジネスモデルに憤り 

――古着店を経営されているときにネットに関心を持つきっかけがあり、インターネット広告代理店のオプトへ転職されたと伺いました。そこから、イー・ガーディアンの大阪支社立ち上げに関わられて現在のキャスターさんを起業されるきっかけを見つけられたそうですが、その経緯から簡単にお聞かせ願えますか? 

 

中川 プライベートな事情があって(実家のある)大阪に戻らなければいけなくなったのですが、2012年当時、大阪には東京の1/10くらいしかITの会社がありませんでした。ネット広告の経験が活かせる会社のうち3社から内定をもらったのですが、その中で一番条件がよかったのがイー・ガーディアン社でした。

 

イー・ガーディアンは、扱っている領域が“人”ということもあって守備範囲が比較的広く、いろいろな会社さん、ベンチャーさんと仕事をさせていただく経験ができた。その中で、わりと大きな問題となっていたのがクラウドソーシングでした。

 

――業務上、弊社でもお願いすることがあります。使わせていただく立場で言うのもなんなのですが、クラウドワーカーの方々同士の入札合戦、受託金額(のダウン)合戦の消耗戦みたいになってしまうあの仕組みってどうなんだろうなと思う部分はありますね。

 

中川 消耗戦みたいというより、そもそも消耗戦ですよね。業務委託って最低賃金がないから、かなりの回転をする中で、平均単価が時給100円を切るような状態。単価を上げていける人もいるにはいるものの、それはほんの一部です。起業当時から時間もたっているので、今はだいぶマシになってはいるのですが、クラウドソーシングという業界で働くことが少しでもよい生活を送ることにつながるとか、楽しいライフスタイルを描けるようになるといったことはまったく想定されていないビジネスモデルなんだな、という印象がありました。

 

――「怒りを感じた」といった表現も一部インタビュー記事ではお見受けしましたが、やはりその怒りのエネルギーが起業へとつながったのでしょうか?

 

中川 はじめはイー・ガーディアンで提案してみたのですが、会社の現状では、セキュリティレベルの問題ですぐに挑戦するのは難しいと言われました。そのうちに、キャスターの最初の株主となるキャピタリストにお声がけいただき、「それならお金を出すよ」と言ってくださったので、僕としてはイー・ガーディアンにお金を出してもらうのか、その方に出資していただくのかだけの違いだったので、そちらを取ったという流れです。

リモートワーカーがいかに働きやすい世の中と仕組みを作るか 

――キャピタリストの方とは、どういった話をしたのでしょう? 

 

中川 「クラウドソーシングという業界には可能性があると思っているが、どう考えているか?」というのがディスカッションのお題だったので、僕は「現状では持続可能性がない」と答えました。

では、持続可能性のあるオペレーションの世界ってどこなんだ?となったときに、「そんなの当たり前じゃないですか。BPOの世界はもう50年とか続いていますよ」と。

 

クラウドソーシングとBPOの最大の違いは、働く人たちの安定ですよね。それを実現するためには、ごくシンプルに「雇えばいい」と思っていました。会社としては少し重いけれど、雇用してリモートワーカーに適切な就労環境を用意し、社員のスキルが活かせる商売をすればいいだけじゃないかと。

 

――なるほど。

 

中川 それで、具体的な方法、オペレーションの組み方、サービス内容はこんな感じというところまでサラッと話した感じです。当時のクラウドソーシングの世界は、バックオフィス系の女性たちがほとんどだったので、そのスキルセットを活かせる商売がよいのでは、と。

 

――そこから出資があり、会社設立からここまでどんな風に進めてこられたのですか?

 

中川 最初の1,2年はほぼひとりで。3年目くらいから、やっと現COOの石倉(秀明氏・取締役)など、今の役員陣が徐々に入ってきました。ただ、“アシスタント”と呼んでいるオペレーションの提供者は必要なので、それは初年度から20名くらい。そこから50名、60名と伸びていきました。

 

今の体制は、取締役が自分とあと2名、社外取締役が2名、執行役員が5名という布陣。社員数は約300人、業務委託者を含めて全体で700人くらい。そのうちマネジャークラスが、部門ごとに10人くらいという規模感です。

 

――役員クラスに入ってもらおうと考えたポイントはありますか?

 

中川 「このポジションが必要」と感じて探す、ということはしていませんでした。株主からは「早く入れろ」と言われ続けていましたが、僕は「まぁ、いい人がいたらね」という感じで(笑)。

 

石倉もそうですが、たまたま知り合って優秀だと感じたので「入ってほしい」とお願いした。そういう経緯がほとんどです。

 

1

2

プロフィール

  • 中川 祥太氏

    株式会社キャスター 代表取締役

    日本大学経済学部中退。在学中に経験したテレアポのアルバイトで、年齢も性別も関係ない集団で成果を叩き出す仕組みに衝撃を受ける。 下北沢で古着屋を経営した後、ネット広告代理店のオプト社に入社。社内ベンチャーのソウルドアウト社への出向を経て、2012年退職。 イー・ガーディアン社に入社し、大阪営業所立ち上げに従事。主にソーシャルメディア関連事業を担当。ソーシャルリスクの専門家として、各種テレビメディアへの出演、連載を持つ。 その後、新設された事業企画部立ち上げの過程でクラウドソーシングと出会う。日本におけるオンラインワーカーの発展途上な環境にもどかしさを覚え、28歳で起業を決意。 2014年9月に株式会社キャスター創業。