2020/09/18
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イマ、ココ、注目社長!
第111回
「建設の世界を限りなくスマートに」。ITの力で業界のイメージも業務のありかたも変えていく。
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- 中島 貴春氏 株式会社フォトラクション 代表取締役 CEO
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異なる分野の知識や経験をかけ合わせることで希少性や強みを生み出し、イノベーションを巻き起こしているスタートアップ事例が増えています。この方程式を、IT化の遅れが課題といわれている建設業界に当てはめ、「建設×IT」で脚光を浴びているのが株式会社フォトラクションです。
開発・運営を手がける建築・土木の生産支援クラウド「Photoruction(フォトラクション)」、建築産業特化の人工知能エンジン「aoz cloud(アオズクラウド)」は、神戸市水道局との「Photoructionを利用した水道管工事施工管理システム」などに活用されています。この6月には、aoz cloudを活用した新サービス「建設BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」がリリースされるなど快進撃を続ける同社。
「建設の世界を限りなくスマートにする」というミッションを実現するため、いずれPhotoructionを一気通貫のプラットフォームに育て上げたいとの理想を掲げる代表取締役/CEOの中島貴春さんに、プロダクト着想のきっかけ、建設業界に対する思い、そして会社の未来についてお話しいただきました。
(聞き手/井上和幸)
クオリティに影響しない業務が効率化できたらみんなが幸せになる
――新卒では、芝浦工大の大学院から竹中工務店という建設大手に就職されて。「フォトラクション」というプロダクトの着想は、このときの経験から得たものなのでしょうか?
中島 もともとBIM(建築物の3次元データベース)というIT×建設分野の研究を大学で行っていて、竹中工務店にはその研究が活かせる形で採用されました。毎年200人くらい新卒採用を行っているのですが、私が配属になったIT戦略部門は、その中でひとりかふたりというマニアックな枠で(笑)。
ただその前に、新人は全員が1年間、さまざまな部署で経験を積むんです。現場監督だったり設計部門だったり。そこで目にしたのは、ITとかAIとか言っていられないくらい、メンバーがさまざまな業務に追われている現実でした。「これ、どうにかならないのかな」と思ったことが最初です。
――具体的にはどういうことになりますか?
中島 たとえば現場監督って、実はデスクワークがとても多いんです。職人さんが帰った後に現場を片付け、夕方頃に事務所に戻ってからが第2ラウンド。その日に撮影した膨大な数の写真をパソコンに入れ、フォルダを作って整理して…とやっていると、あっという間に夜になっている。当時は新人で、私が慣れていないせいもあったと思いますが、効率的に...
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